コーチの企み (Page 3)
「沢井さんのことずっとそういう目で見てました…今日もずっと、沢井さん見てるとムラムラしてたまらなくて…」
「私たち、親子ほど歳がちがうのよ?そんなの…」
「親子ほどもないでしょう、僕、年上の女性が好きなんです」
「…でも」
自分は結婚しているとか、不貞行為になるとか、そういうことを言うのはあまりに馬鹿馬鹿しいような気が理恵はした。
しかし自分が男から性的に求められることがあるとはもう思っていなかっただけに、簡単に答えられない。
「1回だけ、だめですか?思い出に…」
「え、こんなおばさんと…本気で言ってる?」
茶化そうとする言葉を発しながら、しかし理恵の内心にはくすぶるような喜びがじわじわ広がり始めていた。
決して美形というほどではないが、背が高く筋肉質で好青年然とした一真に悪感情は抱いていなかった。
そして「ずっとそういう目で見ていた」という言葉。
じゅわっと子宮が疼いてしまう。
頭よりも先に、身体が彼を受け入れようとしていた。
「本気です、わかりませんか?こんなになってるんです」
腰を強く押し付けて一真は言った。
敢えて恋愛に話を持っていかないのが一真のいつものやり口だった。
子供もいる既婚女性からしてみれば、熱烈な恋愛感情を受け入れる方が実際はハードルが高い。
「1度だけ」と言って青い性欲を主張する形をとる方が「仕方なく」受け入れてもらいやすいのである。
「…今日だけよ」
夫とも、もう何年もセックスしていない。
理恵は久しぶりすぎるセックスへの抵抗感と躊躇、罪悪感を覚えながら、しかし快感への期待がそれらを上回ってしまった。
「もちろんです…いいですか?」
背中からゆっくり手を腰に動かしながら、一真は言った。
「今日だけ、そして、終わったら忘れてくれる?」
このやり取りを面倒だと思うようでは、熟女斬りは務まらない。
まどろっこしくても丁寧に解いた先に、自分だけが見られる卑猥なメスの姿があるのだ。
「…わかりました、忘れます…忘れるから、今日沢井さんの全部を見せてください」
一真は理恵の身体を抱き締める腕の力を緩めて、理恵の顔をじっと見た。
「なんでそんな…やらしい言い方…」
理恵は顔を真っ赤にしている。
一真からすると随分と年上だが、その様子はかわいくてたまらないし、性的にもめちゃくちゃそそるのだった。
「やらしい目で見てるし、これからやらしいことするんですもん、言い方もやらしくなりますよ?」
「コーチ…」
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