ラは幸運(ラッキー)スケベのラ

・作

会社へ出勤途中、橋の上で拾った花柄のスマホ。どうすべきか考えてモタモタしてるうちに、やたらとエロい女性警察官がやって来て…… トランジスタグラマーな人妻とのドタバタラッキースケベです。フリックやスワイプなどでお気軽にお楽しみください。

 親切とお節介の境界線は、どこら辺にあるんだろう?

 よく晴れた日のお昼前、大きめの橋の欄干に置かれていたスマホ。
 それを手にしたスーツ姿の男は、そう考えたのでしょうか。

「さてコレ、どうしたもんかねえ」

 緑の葉と白い花が描かれた、チャラいデザインのケース。
 それは持ち主が若い女性であることを示していて。

「ふむ……」

 男は、スマホを欄干の上に戻しました。

 ひょっとすると、持ち主がここに戻って来てスマホを探すかもしれない。
 その時に自分が交番とかに持って行ってたら、それは余計なお節介になる。
 だから敢えてここに放置することが、優しさであり最善なのではないか。
 と、そんな逃げの判断をしたように見えました。

 ですが、そこへ制止する大声が。

「ま、待ちなさあああああいいっ!!」

 車道にはクルマがそこそこ走ってますが、歩道に人はほぼいません。
 そんな橋のたもとから歩道を駆けてくる女性。
 空色のブラウスに紺色のネクタイ、紺色の膝丈タイトスカート。
 青い帽子を頭に乗せたその姿は、普通に女性警官です。

「えっ!?」

 しかし、男は驚きました。
 もし、スマホが風かなにかで橋の下(=川)に落ちたらどうなるか。
 それを確認するために欄干の間から下を覗いていた男は。

「早まっちゃダメえええええっ!!!」

 まさか自分が自殺志願者と間違われるなんて思ってなかったのですから。

「いや、ちょ」

 駆け寄ってくる女性警官。
 男と較べてたっぷり30センチは低そうな身長。
 それなのにたっぷりとした、お胸とお尻。
 くびれたウエストと合わせて、リトルダイナマイトなスタイル。

 その体と揺れによって、服が張り裂けそうに見えました。

「ふうふう……ダメですからねっ……」

 女性警官は男の元に着きました。
 服の方も何とか破れずに。
 しかし。

「ダメもなにも」

 と男は前置きをして、現状の説明をしました。
 いわく、自分は出勤の途中であり、落とし物のスマホを見つけただけだと。

 それに対し、女性警官は男に身分証明の提出を求めました。

「ふむ、香住田 藻也(かすみだ もや)独身35歳=彼女居ない歴、ね」

 警官には珍しい、ゆるくウェーブのかかった綺麗なロングヘア。
 男好きのしそうな、二重で大きなたれ目。
 きめの細かな白い肌には、扇情的なほどに赤いルージュの唇が。
 藻也をからかう言葉を発しました。

「彼女いないは余計だ」

 藻也は、女性警官からひったくるように運転免許証を取り戻します。

「ホントに? そうなのかしら?」

 年齢の割に若いところをさらけ出したのに気づかない藻也。
 それを揶揄されてしまいます。

「……いや、余計じゃない」

 年齢は30弱といったところでしょうか。
 それなのに溢れるほどの色香、左手薬指のシンプルな指輪。
 それらが藻也に、反駁は時間の無駄だと悟らせたようです。

「彼女の有無より、会社に遅刻するかどうかの方が大事だからな」

 そう言って藻也は、スマホを女性警官に渡します。
 そして、踵を返して歩き出そうとしました。

「え、ちょっと待って」

 元々は、自殺と勘違いしたことを誤魔化すのが目的だった筈。
 それが、拾得物の当人を逃がす原因になってはマズいと思ったのでしょう。

「調書をとる必要があるので、交番まで一緒に」

「いや、それは勘弁してくれ」

 焦りからか、協力を願うには無機質すぎる言い方になってしまいました。
 案の定、藻也からは拒否されてしまいます。

「会社の方には、警察に捕まってたと言えば分かってもらえるでしょう」

「そりゃ分かってもらえるだろうけどさ、主に減給される方向で」

 言って藻也は、今度こそ歩き出します。
 それで、女性警官は藻也の左腕をつかむのに無理な姿勢になってしまい……

公開日:

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    わに さん 2020年5月20日

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