隣人の転校生は命令で輝く真夜中の支配者 (Page 2)
僕は、何となくわかってしまった。
裸の女性が何をしているのか。
本物を見たことは無かったが、AVで見たことがあった。
これは、女性のオナニーだ。
カーテンを持つ手に力が入る。
全身が微妙に動き続けている。特に伸ばされた腕。
なんだか動きが小刻みに早くなったと思ったら、暗闇に溶けている顔の部分が天井を向いた。
全身の動きが止まっていたように見えたが、よく見ると、月に照らされた青白い足だけはピク、ピク、と動いた。
僕はきっと口が開いていたと思う。
まぬけな顔をして、カーテンに隠れてすらいなかったと思う。
目の前の光景に夢中になり、今自分がどこにいるのかさえ、わからなくなっていた。
ハッ、と意識が戻った時、上を向いていたはずだった女性の顔部分だけが、こっちに向いている気がした。
僕は急いでカーテンを閉め、意味は無いと思いつつもしゃがんで隠れた。
口から飛び出そうな心臓が落ち着くよう胸を押さえつけ、荒い息を殺した。
だってあれは、絶対にあの佐々木さんだから。
その日の僕は眠れずに朝を迎えたことは言うまでもない。
翌日、学校の廊下で彼女を見かけた。
僕は昨日の女性と、彼女を見比べた。
暗がりの中髪は下ろしていたから、ポニーテール姿しか見たことが無い佐々木さんなのかは、判断できない。
だが、足の長さ、イメージする背丈の高さ、全体の雰囲気が佐々木さんに間違いない。
そんな事を心の中で結論づけた瞬間に、佐々木さんが僕の方を見た。
目が合い、心の声が読まれてしまったような気がした僕は、すぐに目をそらし、その場から立ち去った。
その日の夜は、お隣の部屋のカーテンはいつも通り閉まっていた。
開いていたら、また同じ光景が見られるのか、その女性が佐々木さんなのか、そんなことが頭をグルグルと渦巻いていたが、実際の僕は“見たい”、ただそれだけだったと思う。
天野さんの作品いくつか読みました。これが一番好みだったのでここに書きます。女性目線と男性目線両方からの視点でそれぞれかけるのは凄いなと思いました。
ひとつだけ疑問なのですが、この作品はなぜM男タグがないのでしょうか。佐々木さんが先に自慰を見られたからでしょうか。
個人的にはこの作品は十分に女性上位の要素があらと思いました。
また天野さんのM男作品が見たいので勝手ではありますがタグをつけて頂けると嬉しいです。
大学生 さん 2022年2月28日