夕暮れの公園で女性上位の快楽を知る

・作

僕には毎週会う好きな人がいる。彼女は突然現れ、僕の生活を急激に変えていった。僕は気づかぬ間に彼女の手のひらに乗せられ、いとも簡単に転がされていく。彼女の魅力に抗えない僕は、導かれるまま女性上位の快楽に堕ちていく…

僕には毎週決まって会う、好きな人がいる。
恐らく、相手も僕のこと、嫌いでは無いと思う。
でも、同年代の恋人同士のような普通のデートとかはしたことが無い。
きっと、これから先もしないと思うけど、彼女に求めてもらえるだけで、僕はいい。

彼女に初めて会ったのは、近所の公園だった。
僕は会社に入社したばかりで、覚えることも多く毎日ヘトヘトだった。
休みの日に、せまいアパートにいるのも息が詰まり、缶ビールとつまみを持って、目の前の公園に向かった。
人のいない寂れた公園にはベンチが一つあるだけ。
それでも、夕日が綺麗に見えるその公園が、僕は気に入っていた。
その日も公園で飲もうと思い向かうと、珍しくベンチに先客がいた。
後ろ姿からして、若そうな女性だった。
今日は出直そうと思いUターンしかけた時、その女性が泣いている事に気づいた。
声をかけようか…そっとしておいた方がいいのか…
僕は迷った末、いつのまにか声をかけていた。

「あの…すいません、大丈夫ですか?」

女性はハッ、と振向き、僕を怪しげに睨んだ。

「いや、急に声かけてすいません…僕この公園好きでよく来るんですけど、人がいるの珍しいなと思って、そしたらあなたの泣く声が聞こえて」

女性は変わらず顔だけ振向き、僕を見ていた。

「いや、いいです、あの…急に声かけたりしてすいませんでした、僕もう行くんで…」

うわぁ、やっぱり声なんてかけなきゃよかったのに、僕は何やってんだ…
肩を落とし、いそいそと戻ろうとした時、女性が口を開いた。

「…大丈夫じゃないです」

へ…?あ、大丈夫じゃないですって、言ったよね…今、うん。

「公園に来たくて来たんですよね、いればいいじゃないですか」

「…はい」

僕は何故か女性に引き止められ、どうすればいいかわからないまま、一つしかないベンチの端に腰をかけた。

「ビール…飲むんですか」

女性は泣きはらした目で、僕の持っていたビニール袋を見て言った。

「あ…はい。僕休みの日にここでビール飲むの好きなんです、充電…みたいな感じで…」

「私にもください」

「え…えぇ、はい、どうぞ…」

彼女に持っていた二本のうち、一本を手渡した。
彼女は僕の目を見ずに受け取ると、細い指で缶を開け、クイっと一口流し込んだ。

「…うえ、まずい…」

「え!ビール飲めなかったですか!?」

彼女は焦る僕の目を見た。
夕日に照らされて彼女の髪は透き通り、涙で化粧は落ち少し赤く腫れていた。まじまじと見たら、後ろ姿で想像していたよりも、若そうだった。

「…いいです、飲めます」

「いや、無理しないでいいですよ!どうせ僕飲みますし!あ、いや、それじゃあなたが飲んだ缶を飲みたい変態みたいですね、全然そういう意味じゃな…」

僕が必死に弁解している最中に彼女はビールを傾け、勢いよく飲んでいた。
そして缶を置くと、ベンチ伝いに近づき、片手で僕の頬を掴んだ。
グイ、と上を向かせられると、ベンチに膝立ちになった彼女は、僕に口移しでビールを流し込んできた。

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