隣人の転校生は命令で輝く真夜中の支配者 (Page 4)
「あの、佐々木さん…」
「ほら、早く、寒いんだから」
佐々木さんの声は一定で、冷静だった。
静かな女性の声なのに、力強かった。
佐々木さんの見つめる冷たい目
僕に伸ばされたしなやかな指
中指が月に照らされ、テカテカと光っている
僕は口を開けていた。
出窓にできるだけ近づき、佐々木さんの手が届くように。
家と家、部屋と部屋。
こんな静かな真夜中に、僕たちだけは繋がった。
僕の口の中に入ってきた佐々木さんの指は、初めての味がした。
ぼんやりしているが、どことなく深い、舌に残るヒトの味。
僕は唇をすぼめ、佐々木さんを少しも残さずに舐め取ろうと、夢中になっていた。
僅かに残った恥ずかしさから目を背けていたが、不意に佐々木さんを見てしまった。
佐々木さんは笑っていた。
サラサラの髪が素肌の白さを際立てていた。
唇は閉じたまま、さぞ面白いものでも見ているかのように、ニヤリ、と。
僕が佐々木さんの笑顔を見たのは、この時が初めてだ。
やっぱり…佐々木さんは可愛い。
なんでみんな気づかないんだろう。
「ちょっと、しつこい」
急に口から僕の体温で温まった指が抜かれてしまい、ぽっかりと空間ができた。
「ねぇ、あんたのちんこ出して」
もう僕は抵抗しなかった。
抵抗する、という選択肢が無かった。
この時、この空間では日常の自分の立場、人の目などは皆無だ。
佐々木さんが求めること、それを遂行すること、それが第一優先になった。
僕は少し背中を丸めた状態で出窓に膝立ちになり、履いていたスウェットとパンツを下ろした。
僕のちんこが暗がりの中でいきり勃っている。
さっきから勃起し続けていて、痛いぐらいだ。
「これで、いい…?」
「うん、すごいね、興奮してるんだ、どうして?」
「え…それは…、佐々木さんが可愛くて、さっき舐めた指も佐々木さんの味がして、そう思ったらなんかもうたまらなくて…」
「違うでしょ」
え…? なんで…?
「もっと前から勃起させてたんでしょ? ちゃんと正直に言って」
「あ…、えっと…、本当はもっと前から勃起していて、佐々木さんが一人でしてる所を隠れて見てて、所々月に照らされた佐々木さんが美しくて…」
「それで? どうしたかったの?」
僕は息を飲んだ。
こんなこと、口にしていいのか。
変態だと思われ、気持ち悪がられないだろうか。
でも僕に選択肢は無く、ここでは言われたとおり正直に伝えることだった。
天野さんの作品いくつか読みました。これが一番好みだったのでここに書きます。女性目線と男性目線両方からの視点でそれぞれかけるのは凄いなと思いました。
ひとつだけ疑問なのですが、この作品はなぜM男タグがないのでしょうか。佐々木さんが先に自慰を見られたからでしょうか。
個人的にはこの作品は十分に女性上位の要素があらと思いました。
また天野さんのM男作品が見たいので勝手ではありますがタグをつけて頂けると嬉しいです。
大学生 さん 2022年2月28日