おまえの母ちゃん (Page 2)
翼と涼太は幼稚園の頃からの幼なじみで、互いの家族も含めてそこそこ親しく付き合ってきた仲だ。
20歳で涼太を産んだ恵は同級生の母親たちの中で群を抜いて若く美しかったが、幼い頃は翼にとっても当然「涼太のママ」でしかなかった。
友達の母親を1人の女性として意識し始めたのは、思春期の入口に差し掛かる頃だった。
涼太の家で一緒に夏休みの宿題をやっていたある日、2階の涼太の部屋から翼がひとり下に降りてトイレを借りようとした時に外出していた恵が帰ってきた。
買い物袋を抱えた恵の薄いTシャツが汗で肌にはりつき、下着をうっすら透けさせていたのを見た時、翼は生まれて初めて女体に性的興奮を覚えたのだった。
「あら翼くん、来てたのね」
「あ、はい…」
動揺してうまく受け答えもできなかったのをよく覚えている。
「それだったらアイスでも買ってくれば良かったわね」
いつもと同じ朗らかな笑顔に罪悪感を刺激されて、翼はまごつきながら2階へ戻った。
豊満な身体にぴったりとはりついたTシャツ、そのたっぷりとした肉感は同級生の女子とは全く異質なもので、強烈な女の印象を翼に残した。
翼は家に帰っても、それから何日経ってもあの瞬間の恵の姿が瞼の裏に焼きついていて消えなかった。
何度も何度も思い出してはまだ幼い股間を熱くした。
そういう目で一度見てしまうとそうでなかった頃には戻れないもので、翼はその日から恵を性的な欲望の対象としか思えなくなっていた。
「本当によかったの?」
「もちろんですよ、すぐ近所なんですから」
翼が、大量の食品の買い出しのために運転してきた実家の車に恵を乗せてスーパーの駐車場を出た。
「ありがとう、助かるわ」
スーパーで恵が買おうかどうか迷っていたのは、たまたま安売りになっていた2リットルサイズの飲料で、歩いてスーパーに来ていた恵は買いたいが持って帰るのは難しいと悩んでいたところだったのだ。
その話を聞いた翼は思わず、車で来ているから送ると申し出た。
逡巡する様子を見せた恵だったが
「せっかく安いんですから、多めに買っときましょうよ」
と翼に一押しされると笑顔を見せた。
結局2リットルのボトル入り飲料が6本入った箱を購入して、恵は翼の車に乗りこんだ。
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