世界一下手くそなプロポーズ (Page 8)
細い顎を指先で持ち上げ、安吾は緋沙子と唇を合わせた。それから緊張を解すため、上下の唇を代わる代わる啄む。熱くなった吐息が彼女の唇を割って吐き出される。その隙間に舌を差し込み、口内を舐った。舌を絡ませ、口蓋をなぞる。
「はふぁ」
未知の感覚に緋沙子が喘ぐ。
「満足したか? 馬鹿な遊びは終いだ」
「もっと」
蕩けた瞳でじぃっと見つめられ、安吾は内心で自分の行いを罵る。火を点けてどうする。どうやってこの場を収めるか彼が思案していると、待ちきれなかったのか緋沙子がもたれかかってきた。痩せた体の感触が押し付けられ、その体温の高さに驚く。
「おい、盛ってんじゃねぇよ」
「そうさせたのは君だ。せめて鎮めてほしいものだな」
緋沙子の手が安吾の服の内側へ滑り込む。くすぐるように脇をなぞり、彼の胸板を撫でる。さらに乳首の辺りを焦らすようにくりくりと刺激した。
「ふふ、どうだ。少しはその気になってきたかな」
「後悔すんなよ」
壊さないように緋沙子を抱擁し、安吾は耳元に囁く。それから耳を甘噛みし、ベッドの上に彼女を押し倒した。二人分の体重を受け止め、ベッドが抗議の声を上げる。構わず安吾は緋沙子の服を脱がした。寝る前と同じく、下着はショーツしかない。それも脱がせると、朝の白い光に彼女の裸体が晒される。
先程の仕返しに安吾は乳首を口で責めることにした。ちろちろと舌先で転がし、甘噛みしてやる。
「うんっ、くっ、ふっ」
責め方を変えると初々しく反応し、緋沙子が抑えた声を漏らす。
緊張を解すため、胸を責めながら全身に手を這わせ、マッサージをするように撫でる。次第に快感のために鳥肌が立ち始めた。日常では他人に触られないような、そういった敏感な個所を掌や指先で優しく刺激され、緋沙子は徐々に興奮を高めている。
一方で愛撫をしている安吾もじわじわと自分のものが首を擡げていくのを感じていた。しばらく女性関係は大人しくしていたため、女の体に触れるのは久方ぶりである。
安吾はズボン越しに張りつめてきている男根を擦りつけた。すると緋沙子が恐る恐るといった感じで手を伸ばしてくる。男根をズボンから出し、緋沙子に触れさせた。
「すごい」
旦那と比べたのか、と口にしそうになった。しかし、安吾の理性がそれを押し止める。虚しいだけだし、お互いに気分が悪いだけだ。
代わりに原始的に獣性が安吾を猛らせる。
緋沙子の秘所を手を伸ばす。すでにぐっしょりと濡れたそこを指先でくすぐる。
「ひんっ」
驚いたような声を上げた彼女に思わず安吾は笑う。彼女もご無沙汰で男を忘れてしまっているらしい。
円を描くように陰核を刺激し、ぷっくりとそこが勃起してきた頃合いで膣口周りを刺激した。微かにひくついて男を誘っている。安吾は緋沙子の両足を割り、その最奥にある秘所へ男根を差し向けた。
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