先生の欲望 (Page 2)
水谷桃香は保育士だ。
純一の妹夫婦の息子であるひかるの担任だ。
甥っ子の担任とどうして顔見知りなのかというと、共働きで忙しい妹夫婦の代わりに近所に住むフリーランスの仕事をしている叔父である純一が保育園のお迎えに行くことがたびたびあったからだ。
もちろん、親でない者が園児のお迎えに行くことは基本的に禁止されているが、両親からの許可と依頼を受けていること、身分がはっきりしたものであることが示されればお迎え可能というルールの園だった。
甥っ子のひかるは純一に懐いているし、家にこもって作業することが多い純一にとっては保育園との往復は散歩がわりに気持ちよく運動できるので、妹から依頼を受けるのをどこか楽しみにしていたくらいだった。
そしてお迎えの楽しみのひとつがこの「桃香先生」だ。
明るく朗らかで、柔和な笑顔はお迎えのパパさんの癒しだったし、動きやすいジャージの上に、被るタイプのエプロンを着用していてもはっきりわかるほどの爆乳は見る男の心を悉く奪っていた。
一度甥っ子と帰りながら
「桃香先生っておっぱいでかいよなあ」
「おっぱいでかい!」
という話をした。甥っ子ほど小さくても認識できるほどの爆乳なのだ。
しかし男児というのは起こった全てを何から何まで母親に報告する生き物だから、純一は妹からこの会話について後々こっぴどく叱られた。
「保育士さんも大変なんすね…セフレ探しは地元ではできないか…ほら、一旦ドア閉めましょ」
促すと観念したように車のドアを閉めた。
「あの…高崎、さん」
「はい」
「ここで私と会ったこと…誰にも言わないでほしいんですけど…」
「身元が割れてるのはお互いさまですからね、言うつもりはありませんよ」
「…そう、ですか」
桃香はようやく少しほっとしたような様子を見せた。
「で、どうします?」
その様子を見た純一は間髪を入れず尋ねた。
「どうって…?」
「今日、します?」
「いや…さすがに…」
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