先生はひどい人 (Page 2)
放課後、静かに美術室の扉を開けると、教卓に座って本を開いていた先生は立ち上がって手を広げました。
そして戸惑う私を優しく抱きしめ、耳元でこう囁きました。
「おかえり。今日はよく頑張ったね、偉い偉い」
先生の髪から漂う、ほんのり甘い香水の香りに、胸がざわざわします。
「一日、どうだった?」
「んっ…」
当然のように制服の下に入り、私の乳首を弄ってくる、女の人のように細くしなやかな指。
―――こんなこと、もうやめてください―――
今日こそはきっぱり言おうと思って来たのに、色の薄い大きな瞳に見つめられると、逆らってはいけない気分になってしまいます。
…駄目、先生とはちゃんと今日限りに…
「先生、私もうこんな…ぁ…あっ、あんっ…!」
そう言おうとした私の口から出たのは、意味のない喘ぎ声でした。
「どうしたの?いつもより気持ち良さそうにして」
乳首の先を意地悪く指先が擦ります。
「っ、ふ…違いますっ…あ…先生、や、ぁっ…話…」
離れようと肩を押し返しましたが、先生は私の眼鏡を外すと、両手でそっと頬を挟みました。
「前から思ってたんだけどさぁ。こんなに可愛いんだから、コンタクトにしたらいいのに」
「…ぁ…」
…可愛い。
男の人から初めて言われた言葉に、私の心臓はぎゅっと掴まれたように苦しくなりました。
支倉さん、と先生の親指がゆっくり下唇をなぞります。
「やぁ…先生、だめ…ほんとに、」
「そうそう、忘れるところだった。はいこれ、支倉さんに。誕生日おめでとう」
そう言って先生が出したのは、可愛らしい白いテディベアでした。
「え…私の誕生日、どうして…」
「入部の時の自己紹介で言ってたでしょ?ちゃんと覚えてるよ」
「…ありがとうございます…」
テディベアを受け取ると、先生はにっこり笑って私の手を引きました。
「せっかくの記念日だから、今日はちょっと違うことして遊ぼっか」
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