育ての親と (Page 3)

「んぇ? どうしたの急に」

 三杯目を飲むつもりらしく、ボトルに手を伸ばそうとしている由香さんの……太腿に手を置いた。

「由香さん……」

 もたれかかり、肩に頤を乗せる。ともかくひっつく。 

「酔っちゃった? 大丈夫……?」

 別に酔ったフリをした訳じゃないが、勘違いしてくれるならそれでもいいか。

「はあぁぁ……」

 さっきから、すっげーいい匂いするんだよな……。
 首筋に鼻を当てたまま、ただ息をするだけで頭がくらくらして、何もかも忘れそうだ。

「っ、ぅん……くすぐったいから、やめて……?」

 俺の吐いた息が当たるたびに、小さくカラダを震わせて反応する。

「やだ」

 肩に手を添えつつ首筋に噛み付いた。はむ、あむ、唇で何度も挟む。

「ひゃっ! な、なにして……」

 由香さんの身体というか、女性の身体をここまではっきりと触れたのは初めてのことだった。
 まず驚いたのはその細さだ。
 どちらかと言えばふくよかで、肉付きのいい由香さんですら、少し力を込めただけで壊してしまいそうなほど繊細に思える。
 性別が違うだけでこうも変わるものだろうか。

「由香さんっ」

 抵抗しないのをいいことに、服の上からでも分かる柔らかそうな膨らみを思いっきり揉みしだいてやった。
 力を込めるたびに手の中で形が変わるのが分かる。いつまででも触っていられそうなぐらい心地がいい。
 正直、前々から触りたくてしょうがなかった。最早手を伸ばすのは必然だったと言える。

「りょーくん!? まって、だめだってっ!」

 そこでようやく平常ではないことに気が付いたらしい。
 俺の腕の中で必死にもがく由香さんだったが、逃がす気などない。力で押さえ込む。

「ずっと好きだったんだ」

 そんな言葉が自然と口から出た。アルコールの影響なのか、本能に身を任せているからなのか。

「……っ!? ぇ、いま……」

 腕の中で抵抗が緩まった。
 ゆっくりと左に振り向く由香さんと目が合う。
 ちゃんと聞こえなかったのだろうか、困惑した表情を浮かべている。

「由香さんが好きだ」

 覗き込むように顔の高さを合わせてもう一度言う。

「そ、んなこと、言われても……ぁん、さわるの、やめっ」

 喋りながらも、服が伸びそうなくらいずっと揉みくちゃにしている。

「はぁ、んん……今日だけでいいから」

 やめろと言われたがお腹に腕を回して、ぎゅっと抱き寄せ、全身をぴったり密着させる。
 ズボンの中で硬くなったモノも、押し付けてしまっている。
 憧れの女性とこんなことをして、たったの数秒ですら理性を保てるはずがない。

「ほ、ほんとに今日だけ?」

 俺の本能を逆撫でするような質問だった。それとも、気づいていてやっているのだろうか。

「うん……」

 口では何とでも言えるものだった。
 たぶん、嘘になる。

「う……わかった……」

 俯きながらで聞こえにくかったが、確かにそう言った。
 いいんだ。
 意外にもあっさり、了承を貰ってしまった。

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