つづる想い (Page 2)

「ふふっ、本当に何言ってるんだか」
 睦月はフレアスカートの中に手を入れて、下着の上から指で押さえた。ゆるゆると動かして、疼きを楽しむ。
「触ってもらえるのは3ヶ月後かぁ。……待ち遠しいな」

 逞が封筒を開けると、小さなビニール袋が入っていた。ジッパー付きのビニール袋の中には布の切れ端が入っている。

『逞さんへ
 そんな事を提案してくるって事は、とってもお元気そうですね。良いでしょう、提案に乗りましょう。うまく書けるかは、分からないけれど。
 新商品が出ていたので、シャンプーを変えてみました。ハンカチを切って染み込ませたものを同封します。今の私の髪の匂いです。
 気に入ってもらえますか?
                      睦月』

 逞はジッパーを開けて匂いをかいだ。
 さわやかな甘いシャンプーの匂いが鼻腔に広がる。
「うん、いい匂いだ」

 大学生の頃、四つん這いになった睦月の髪に顔を埋めて、後ろから貫いた時を思い出す。
 夏の暑い日だった。
 安い部屋を選んだため、逞の部屋にはエアコンがなかった。それどころか、風呂なし共同トイレだった。学生だからやってみたいと清貧を気取って選んだ部屋だった。

 シャンプーの匂いと睦月の体臭が混じった匂いに興奮して、獣のように交わった。背中の中程まである髪は顔の両脇に流れて、取り残された髪がうなじに数本張り付いている。
 
 反らされた睦月の背に、自分の汗が落ちて流れていくのを眺めていた。汗に濡れた胸をわし掴んで荒々しく揉むと、睦月は感極まった声を上げて腰を震わせた。ヌルヌルの肉壺に己を打ち込んで、精を放った瞬間の目もくらむような……。

 そこで逞は我に返った。
 ズボンの前がテントを張っている。
「うわ、マジか」
 予想以上に手紙の効果はあるようだった。
 とりあえず抜いてから返事を書くかと、逞はトイレに向かった。

『睦月へ
 シャンプー、いい匂いだと思う。好きな匂いだ。
 俺も匂いを送ってみる。何の匂いかはすぐ分かると思うから、ヒントはなし。
 シャンプーの匂いをかいで、大学生の頃の夏を思い出した。同棲を始める前、俺の部屋でして熱中症になりかけたよな。
 覚えてるかな? 俺は思い出すだけで興奮してきた。オナホを買い、いやいや我慢する。違う所に入れたくないからな。
                         逞』

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