裏アカ男子と密会JD (Page 3)

カレンは、性的絶頂を経験したことがなかった。
オナニーすら、人生において片手で数えられる程度しかしたことがない。

「いく」という現象があることは知っているが、それがどういうことなのかはわからなかった。
ハヤトがアップしている全ての動画をカレンは見たが、どの動画でも、どんな体位でも、ペニスを挿入していなくても、全て女性は「いくいく」と叫んでのたうっていた。

それは苦しげでもあり、しかし圧倒的に気持ちよさそうでもあった。
顔は見えないのに、恍惚としている表情が想像できるような喘ぎ声ばかりだった。

自分もこんな経験をしてみたい、と思うようになるまで時間はかからなかったが、実際にハヤトに連絡を取ろうと決意するまでには半年かかった。

*****

ホテルの部屋に入ると、ハヤトは慣れた様子でカレンをソファーに誘導した。
このホテルは、ハヤトがSNSで女性に会う時によく使うホテルだった。
広くて綺麗で、撮影もしやすいが料金は中層でコスパが良いので気に入っている。

「寒くないですか?」

「大丈夫です」

尋ねながら立ち上がったハヤトは、てきぱきと空調を調節し、風呂に湯を張り始めた。
そして上着を脱いで、自分の荷物から撮影機材をセットし出した。

「あの、私」

準備を整えたハヤトが再びカレンの隣に座ると、カレンは膝の上で硬く握りしめた手に一層力を入れて話した。

「はい」

動画で聞いていたのと同じ、穏やかで低いトーンのハヤトの声は、それだけでカレンの身体を撫で回しているようだ。

「DMでお話しした通り、セックスが苦手なんです」

「はい、聞いてます」

「痛くて…感じにくい方なのかと」

「なるほど」

「だから…ハヤトさんがこれまで会われた女性より、その…経験もないですし…面倒に思われるかもしれないんですけど…」

「大丈夫ですよ」

「…だいじょうぶ?」

「僕が会ってきた女性は、もともと感じにくかったり、セックスが好きではなかったり、嫌な思いをした経験がある人も多くいました。ゆっくりほぐしていきますし、僕はそれが好きなので面倒だなんて思いませんよ」

「…そうですか」

「はい。それにさっき話した通り、カレンさんが嫌なことはしません。痛いと言われても不機嫌になったりしません。止めたい時は途中でも止めてください」

「…ありがとうございます」

少しほっとしたカレンの手をそっと包むように握ったハヤトは、ゆっくりその手を撫でながら続けた。

公開日:

感想・レビュー

1件

裏アカ男子と密会JD へのコメント一覧

  • いつもと少し雰囲気が違いますけど、今作も良いですね。

    2

    イエロ。 さん 2023年3月19日

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