裏アカ男子と密会JD (Page 4)
「その代わり、僕からもお願いしたいんですけど」
「はい」
「もし気持ちよかったら、それも教えて欲しいんです」
「…教える?」
「嫌なことも、いいことも、我慢しないでその都度伝えてもらえたら、カレンさん好みのプレイにより近づけられると思うので」
「…私、好み…」
「それに、気持ちよがってもらえると、僕もすごく興奮するんです…だから、恥ずかしいと思わずに、良かったときはいいと言ってください」
「…わかりました、できる限り、そうします」
「ありがとうございます」
ハヤトに撫でられている手が、既に心地いい。
柔らかくて優しい触れ方なのに、どこか色っぽくカレンが感じるのは、この後のことに対してカレンの中で不安よりも期待が勝ってきたからかもしれない。
「まだ撮影はしてません」
ハヤトはそう言って、カレンの手をきゅっと握って顔を寄せた。
「カレンさんの準備がしっかり整って、撮られていいと思うまで、撮影しません」
間近でハヤトの顔を見て、カレンは「綺麗だな」と思った。
それは顔の作りが美しいとか、ハンサムという意味ではなかった。
ハヤトは肌が綺麗だったのである。
少し長めの黒髪も艶があってサラサラだった。
それは丁寧に手入れされている肌であり、髪だった。
その点で、ハヤトはカレンが見てきたどの男とも違っており、カレンの中にあった男への抵抗がハヤトに対してあまり働かなかった理由のひとつはここにあった。
「わかりました」
息がかかるような距離感で、少し震えながらカレンは答えた。
「最後まで撮影されていいと思わなければ、それで構いませんからね」
「いいんですか」
ハヤトはにこっと笑って頷いた。
カレンの手を握っていたはずのハヤトの手は、いつの間にかカレンの肩にそえられている。
「じゃぁ…キス、してもいいですか?」
「…っ、ぁ、はぃ…」
消え入るような小さな声でカレンは言い、小さく頷いた。
ハヤトはそれをきちんと聞き届けてから、そっとカレンに口付けた。
その時カレンの鼻腔をくすぐったのは、甘い柑橘系の香りだった。
「いい匂いまでするんだ」と思いながら、カレンはキスの感覚に集中していった。
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いつもと少し雰囲気が違いますけど、今作も良いですね。
イエロ。 さん 2023年3月19日