ワンチャンつながる (Page 6)
自分の手で何度も絶頂して震える女ほど、恭平にとって愛おしく興奮材料となるものはない。
恭平は唇を離して腰を思い切り打ち付ける激しいピストンをしながら、また沙織と目を合わせた。
「あぁん、あ、だめ…また、あっ」
「イッて」
「んぁぁっ、あ、ぉ、ああああぁんっ」
恭平が女を絶頂させるのは、小手先のテクニックによるものではない。
ペニスも、小さくはないが人並みだ。
「あぁ、あっ…ぅぅっ、いっく、またいく」
「イッて」
穏やかなトーンで「イッて」と言うだけで女が絶頂してしまうのは、恭平を心の底から恋しているからだ。
好きで好きでたまらない男に見つめられながらするセックスは、女の感度を最大限に引き出すものだと数多の経験から恭平は知っている。
「あああああっ、だめ、も、だめ…あぁぁ」
「かわいい」
「んんっ、いや、いく、いくいく、またぁっ」
「俺も…っ、出すね」
膣内は熱く痙攣し続け、ペニスを絞るように締め付けて扱いてくる。
込み上げるものを感じながら、随分衰えたものだと恭平は思った。
「ん、ん、ぅん…きて…くださ、あ、あぁぁぁつ」
「っ、ふ…ぅ」
思い切り腰を打ちつけて奥に射精すると、それを受けてうっとりと絶頂を味わう沙織の顔を見て恭平は改めて満足した。
半開きでとろんとした目も、だらしなく開いた口も、紅く染まった頬も、快楽のためにぐちゃぐちゃになった女の顔はどれだけ見ても飽きないものなのだ。
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もともとハンサムな顔立ちで、体格も恵まれていた恭平だが、自然に年齢を重ねた「イケオジ」に見えるようにするためには常からの努力が必要だ。
筋トレも、肌や歯や髪の手入れも「執心しているわけではないが気を遣っている」という程度に見せなければ痛々しい若作りに見える。
かといって手入れをしなければものすごいスピードで老化は進む。
「自然に美しく見せる」ことが最も難しく、時間もお金もかかるということを恭平は身をもって知っている。
だから女性の話に共感の言葉をかける機会が多く、それは彼の「モテ」を加速させていた。
女を求め続けることを諦められず、2度結婚に失敗した恭平だが、それでも若い女から恋される快楽は手放せないしそのための努力は惜しまないつもりだ。
これこそが生きる甲斐だとさえ思う。
恭平の実年齢から言って、朝まで一緒に過ごせば「魔法が解けて」しまうのはわかっている。
憧れの上司との一夜が最高の思い出になるように、恭平は寝息を立てる沙織を部屋に残して帰宅した。
「いつでも力になるから」と書き残したメッセージがその先につながることを予測しながら、恭平はまた次に「恋される」べき若い女を物色し始めるのだった。
(了)
丁寧
描写がいつもより丁寧ですね。
カオル さん 2023年12月3日