秘書のお仕事

・作

優秀な社長秘書の金田美紗と、社長の伊藤潤が肉体関係を持つようになったのは数年前のことだ。美しく聡明な美紗に夢中になった潤が、女性経験が少ないながら強引に迫ったことで関係は始まったが、生粋のSである美紗はすぐに潤のM性を見抜いて、いつしかセックスの場での立場は逆転してしまっていた。40になるまで知らなかった自分の性癖と強烈な快感に潤は溺れていく。そして今日も、社長室で情事が始まろうとしていた…

「失礼いたします」

社長室内に入ってきた秘書の金田美紗は、一礼して社長である伊藤潤に話しかけた。

「本日17時から行われる予定だったB社幹部との会食ですが、さきほど先方から連絡がありまして日程を延期してほしいと」

「そうか」

潤は、重々しい調子で頷いた。

「先方に体調不良者が出たとのことです」

「仕方ないな。日程調整は任せる」

「承知しました」

再び礼をした美紗が社長室を出ようとした時、潤はためらいがちに声をかけた。

「金田くん」

「はい」

振り返った美紗は、その後に潤が言おうとしていることをすっかり把握しているような表情だ。

「それじゃ、今日の予定は」

「本日の予定は全て終了しております」

「そうか、それなら…」

潤は立ち上がり、美紗の方に向かった。
そして社長室のドアの持ち手付近に手をかざし、センサーで内側から鍵をかけた。
そして熱を帯びた目で、美紗を見る。

「頼むよ」

「承知しました」

唇の右端だけをわずかに上げて、美紗はまた礼をして答えた。

*****

美紗が潤の秘書になったのは5年前だ。
入社時から目立った美貌を持っていた美紗は、その聡明さでもすぐに社内で注目されるようになり、社長である潤から直々に秘書にどうかと声をかけられた。

しばらくは普通に社長と秘書として仕事上での付き合いだけを行っていた2人だったが、ある時潤の方から強引に言い寄って肉体関係を持つようになった。

潤は、社長としての仕事ぶりは立派なものだったが、女性経験は少ないまま40になろうとしていた。
美紗の堅実丁寧な仕事ぶりとその細部まで手入れの行き届いた美しさに夢中になった潤は、強引に迫る以外の真っ当な方法で彼女にアプローチすることができなかったが、本当は普通に恋人として交際したい気持ちがあった。

初めのセックスは強引に及んだ。
美紗はその時眉を顰めて静かに応じたが、権力関係がある自分を強く拒絶できない美紗がほとんど反応を示さないことに潤は虚しさを覚えた。

経験が少なかった潤は、この時初めて知った。
自分と交わることを望まない女を犯す趣味は自分にはなかったのだと。

虚しさを感じながらも、彼女への欲望を抑えきれず何度か関係を持ったある時、行為の最中に美紗の様子が豹変した。

「社長…気持ちいいですか?」

正常位で力任せに腰を振る潤を下から蔑むように見上げた美紗は、潤の腰に自分の脚を絡めてぎゅっと固定した。

「っ…は、はぁ?」

美紗は膣をきゅうっと締めて、潤の動きを封じるような、圧を持った声で続けた。

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