秘書のお仕事 (Page 2)

「本当にやりたくてやってるんですか?こんなこと」

潤は動転した。
美紗が自分との行為を望んでも悦んでもいないことはわかっていた。
そしてそんな美紗との行為では、潤も満たされないと自覚していた。
それでも美紗への執着が捨てられない惨めな自分を見透かされたようで、頭に血がのぼった。

「…っ、なにが言いたいんだ」

絞り出すように潤が言うと、美紗はにやりと笑った。
そして美紗は下から手を伸ばして潤の乳首に触れた。
乳首を人差し指で転がすように軽く弾かれると、潤は経験したことのない妙な感覚が全身に走るのを感じた。

「はぁっ…」

思わずうわずった声をあげた潤を見て、何かを確信したように再び笑った美紗は、絡めていた脚を潤の腰から離すと、下から潤の胸を押した。

そして怯んだ潤の身体をくるりと返して下に寝かせ、自分がその上に乗る形に持っていった。
正常位から騎乗位に移る間、ペニスは挿入されたままだった。
あまりに鮮やかな動きにはっとする間もなく、美紗は上で腰を動かし始めた。

「ちょ、あ…っ」

美紗の腰の上下の動きは激しく、さらに膣肉も自在にうねってペニスを扱いた。

「本当は、こっちの方が気持ちいいんじゃないですか?」

動きながら、美紗は潤に言った。

「こうして女に攻められるのが、好きなんじゃないですか?」

「まっ…あ、あっ」

美紗が腰を動かしながら上体を倒し、潤の乳首に吸い付くと、潤は答える余裕もなくまたあられもない声を上げる羽目になった。
そしてこの時から、2人の性的な立場は完全に逆転してしまったのだった。

*****

社長室は、しんとしている。
社内でも約束のない人間が突然訪れることはあり得ない場所だ。
それをいいことに、度々この社長室で事に及ぶようになったのも、「立場が逆転」するようになってからのことだ。

美紗は潤の身体に手を這わせるような卑猥な手つきでジャケットを脱がせ、ハンガーにかけた。
そして潤の顔をじっと見つめながら、ネクタイもするするとほどいた。

「あとは自分で脱げる?」

美紗の声は、母親が子に言い含めるような穏やかな響きだが、潤はそれを聞くとぞくぞくとした期待がのぼってくる。
頷くが早いか、潤はせわしなく自分で服を脱ぎ出した。下着だけになって美紗を振り返ると、美紗は自分のジャケットだけを脱いでいた。これもいつものことだ。

来客用に置いてある、3人がけの豪奢なソファに座るよう目線だけで指示され、潤は興奮でそわそわしながらそこに座る。

「恥ずかしいね?会社でそんな格好して」

言いながら、美紗は潤の方に近づいた。
美紗は、性的嗜好という意味では生粋のSだ。
セックスで男に組み敷かれるのは真っ平だし、自分が攻めて男を鳴かせることで自分も興奮できるタイプだった。

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