ゆうくんは僕のママと仲良し
りゅうや君には「ゆうくん」というママと共通のお友達がいました。ゆうくんはよく遊びに来てくれる優しいお兄さんでした。ママとゆうくんはよく一緒に遊んでいるらしいのですが、りゅうや君は仲間に入れてもらえません。ママとゆうくんは一体どんな遊びをしているのでしょうか。ヒントは時間がだいぶ経ってから膨らんだママのお腹です。
僕、りゅうや。僕の家族にはパパとママがいるよ。
パパはおうちに帰ってくるのは、夜の遅い時間なんだ。
でもそれも時々なんだよ。お仕事が忙しすぎてなかなか帰ってこれないのと、しゅっちょーっていうのが多くて大変なんだって。
ママはいつも寂しそうに、リビングでテレビを見ていたよ。
でもね、ゆうくんが来てからは、ママはとても楽しそうに笑う日が増えたよ。
「よう、りゅう」
ゆうくんはママの最近できた新しいお友達なんだって。
髪の毛が黄色で、指輪とかネックレスとか、なんかいっぱいジャラジャラつけてるんだ!
初めてあった時はちょっと怖いなって思ったけど、ゆうくんはとっても優しい。
おうちに遊びに来てくれる時は絶対プリンとか買ってきてくれるし、たまに僕とも遊んでくれる。
ママには、ゆうくんのことはパパには秘密って言われてるよ。
僕とママに新しいお友達ができたってパパが知ったら、羨ましがっちゃうでしょって。
だからゆうくんのことは、僕とママの秘密なんだ。
「あら、今日は早かったのね」
玄関でゆうくんをお出迎えしてたらママがやってきた。
ゆうくんはママと会ったら必ずチューをするよ。
それも、僕がママにするようなほっぺにするやつじゃなくて、お口にチューをするんだ!
「バカ……りゅうやが見てるでしょ」
「ちょっとくらいいいじゃん。どうせわかんないって」
チューしてることくらいわかるよ!
そう言っても、ゆうくんはそうだな、って言って頭を撫でるだけ。
「りゅう、今日はママと二人で遊びたいから、一人で遊んでくれるか?」
「えー!何して遊ぶの?僕も一緒に遊びたい」
「お前にはまだ早いオトナの遊びだよ。お前がもっと大きくなったら教えてやるから、な?」
ゆうくんが僕と同じくらいの身長になって、にこっと笑う。
ゆうくんの大きな手は僕も好き。パパとは違って、よく僕の頭を撫でてくれるから。
「じゃあさ、今度来る時、一緒にサッカーしようよ。僕、また上手になったからさ」
「お、ほんとか。それは楽しみだな。今日はたっくんとでも遊んでこいよ」
「うん、わかった!ママ、今からたっくんとこ行ってきてもいい?」
僕が聞くと、ママはもちろん、て頷いてくれた。
そのまま僕は玄関からたっくんの家に向かったよ。
ゆうくんとママは何して遊ぶんだろう?帰ったらまだゆうくんはいるかな?
オトナの遊びってなんなんだろう?僕も早く、オトナになりたいな!
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