ある商人の買い付け (Page 4)

 ぼんやりと手紙が燃え尽きる様を女が見ている。藤吉はその頬へと手を伸ばし、涙を拭う。体温で暖まった涙はぬるく、女の次第に冷えていく眼差しとは対照的だった。

「あたしは、少なくとも奥さんが此処にいる限りは、守って差し上げられる」

 藤吉は女の耳元で、そう囁いた。

「旦那さんに義理立てしますか?」

 さらにそう囁いて女の耳朶に唇で触れた。すると女体がぶるりと震え、繊手が藤吉の胸元を掴んだ。彼は女の手を握り、さらに耳朶を舐る。

「はぁっ」

 女が深い溜息を吐く。嫌悪のそれではないと藤吉は捉えた。それにしては熱が籠り過ぎている。

「旦那さんへ意趣返しをしてやりましょう。あたしは奥さんを寝取る。奥さんは旦那さんを見限ってやる」

「……はい……」

 吐息のような掠れた声だった。しかしながら女ははっきりと首肯した。

 藤吉は女を押し倒し、服の前をはだけた。形の良い胸が零れだし、たまらずむしゃぶりつく。

「ああっ」

 つんと尖った突起を吸い上げ、舌先で転がして敏感になったところを甘噛みする。女は白い喉を逸らして愛撫を享受した。

 手探りで女の茂みを探り当て、その先にある女陰を揉んだり、割れ目を擦ったりする。すると蜜が溢れ、尻の方まで流れ出した。存外感じ易く、濡れ易い体質なのだと藤吉は女の胸と股間を同時に責めながら確認する。

 胸から口を離し、藤吉は女の唇を奪う。

 女もすぐに応え、舌を絡め合う。互いの唾液が交換され、口腔内を舌先で弄り合う。お互いの熱い吐息を溶け合わせ、至近で眼差しを向け合った。

 欲しい、と女の眼差しが告げている。

 雄としての本能に従うのであれば、怒張した男根を今すぐ捻じ込むべきだろう。だが、藤吉はあえて理性でもってして、それを押さえつけた。

「奥さん、あたしのものを良くしちゃくれませんか?」

 下を脱ぎ捨て、藤吉はぱんばんに勃起したものを女の鼻先に突きつける。

 女は濃厚な雄の匂いを嗅ぎ、目を蕩けさせた。丹念に陰茎を指と掌で愛撫し、睾丸を口に含んで飴玉のように転がしてしまう。たまらず藤吉は鈴口を先走りで濡らしてしまった。すると、女は睾丸から裏筋を舌先でなぞり、先端の先走りを丹念に掬ってみせる。

 そのあまりにも淫靡な姿に射精感がむくむくと頭を擡げた。だが、決定打としては物足りない。

「奥さん。そんなお上品なやり方じゃあ、とても満足できませんよ」

 髪を乱暴に掴み、藤吉は唇に男根の切っ先を押し当てる。

「さあ、口を開けて。そう、その調子。歯を当てないように」

 食物を入れるべき穴に生殖器をねじ込む。その背徳感たるやなかなかのものだ。藤吉は女の口腔内の感触を充分に楽しむ。女も健気に舌を蠢かして、口を生殖器として機能させようと奮闘している。そのいじらしさに藤吉は我慢の限界を迎えた。

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