ATMより愛を込めて (Page 4)

「きーちゃんので、イかせて」

おねがぁい、と続けて棋一朗の首筋にチュ、チュとリップ音を鳴らす。

はぁ、と息を吐き一旦棋一朗が体を離せば、いそいそと結香は全ての衣服を脱いだ。

「きーちゃんも、脱いで」

その声に棋一朗も服を脱ぐ。

「ゴムして……」

注文されたことに、棋一朗は無い事を告げる。

「無いの?」

盛り上がりうっかりしていたが、ゴムが無いことに気付き棋一朗は頭をガシガシと掻く。

興醒めだが、外のコンビニに行くかと脱いだばかりの衣服に手を掛けた時、結香が動いた。

「そっかぁ、きーちゃん持ってないんだ」

声の調子がまるで馬鹿にしたように聞こえ、棋一朗は「悪かったな」と言うが結香は笑ったまま鞄の中から取り出したコンドームを手渡してきた。

「準備いいな」

「持ってないと、困るから」

「大した相手とヤってないな」

自分だって持っていないくせに、苛立ちから言葉を投げつけまじまじとパッケージを見つめる。

何故かマジックで記号が書いてある。不思議に思ったが印刷された文字に乾いた笑いが出た。

「これ、イイんだ」

薄さによる密着感を強調したデザイン。ぺちぺちとコンドームで結香の顔を叩けば唇を噛んだ。

「他の男用のゴムをはめた俺のを咥えるのか」

落とす言い方に、結香は酷い、と呟くが棋一朗は無視する。

棋一朗は黙ったままコンドームを装着した。

嫌がっていたくせに、棋一朗のペニスを見る結香の目は爛々としていて、期待をしているように思えた。

「……きーちゃんの、久し振りに見たけどおっきいね」

期待する顔で言われ、棋一朗は何とも言えない気分になる。

幼馴染だから、小さい時は一緒に風呂に入っていた。

その時を思い出したのか、感慨深そうに言う結香だが、その様子に矢張り今までの男がチラつく。

棋一朗にとって結香は幼馴染で大切な存在だった。それは間違いない。

何せ、小さな頃に結香に結婚しようと泣きついたほどだった。

それから月日が流れ、結香とはこのような繋がりしかない。

その幼馴染の「女」というよりは「牝」の顔を見せられ、棋一朗は黙ったままだったが、しっかりと勃起したペニスは萎えることなくそびえ立つ。

「私に、興奮してるの?」

そろりと息を吐きだしながら、尋ねる結香に棋一朗の眉が歪む。

「男なら、誰だってこうなるだろ」

それは一般論だという意味だったが、結香は嬉しそうに笑った。

「そっか、興奮するんだ」

 状況に似つかわしくない顔に、一瞬棋一朗はとまどうが男なら誰とでも寝るのだろうと思い直しこの状況を愉しむことにした。

 本当ならもっと結香を味わいつくしたいと棋一朗は考えていたが、股間が限界だった。

パンパンに張りつめたペニスを見せつけるようにした後、結香の足を広げる。

 クパと開くその穴は、今か今かというように濡れてヒクヒクと動き棋一朗のペニスを待っていた。

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