副業勇者でも魔王を堕とせるんですから!! (Page 7)

(どうしよう…私のオマンコ…勇者専用になっちゃった…。家臣にバレたら…魔王失格だわ。)

 初めてのセックスの余韻から覚めるヴァニラの上に、ミクリが優しく覆いかぶさる。

「ふふふ…言った通りしっかり私に堕ちちゃったでしょ。」

 悔しいがヴァニラには反論することが出来ない…恥ずかしい気持ちを悟られないように、目線を逸らすのが精一杯だ。

「それじゃあ、あとは捕らえられてる人たちを開放すれば…私の使命も終わり。お買い物間に合うかしら~?」

「ねぇ?ミクリ、さっきも気になったけど…ここには人間なんていないわよ。」

「いないって、ヴァニラちゃんは人間を滅ぼそうとしてる魔王なんでしょ?」

「魔王っていうのは、先祖代々受け継がれるこの世界の代表の事よ。そもそも、ここは魔族だけが生きる魔界…人間なんていないわよ。」

 2人の会話が微妙にすれ違う。

「―――ミクリー!?1人でどこに行ってるんだよ!?異世界の移動はナビゲーターがいないとダメだって言ってるじゃん!」

 甲高い声と共に、小さなドラゴンが突然部屋の中に飛び込んでくる。この世界には存在しないドラゴン種のようだ。

「あら~ラギちゃん。魔王がこの世界には人間がいないって言ってるわよ?どういうこと?」

「当たり前だよ!ミクリが喚ばれた世界はここじゃないもん!」

「…え?」

「…あら?」

 魔王と勇者…2人の間に沈黙が流れる。

 ミクリが手をかざすと、空中にステータス画面が現れ、送られてきた開封済みのメールをチェックする。
 
(勇者の召喚ってメールすればできるんだ…。)

「だって…異世界ナンバーa4678-bf(えー4678びーえふ)って…。」

「α4678-pf(アルファ4678キューエフ)だね。」

「「………。」」

 ヴァニラの顔が怒りに歪む。

「どういう事…?勘違いで城を壊されて…あんな痛い思いをして…初めてまで奪われたという事…?ミクリ?」

「あ……私…機械系苦手で…普段は、全部旦那がやってくれるから…。」

 プッツン!

「出てけーーー!!」

 手当り次第、そこらに合ったものを投げつける。

「ヴァニラちゃん!ごめんなさーい!!またお詫びに来るから?。」
 
 大慌てで脱ぎ散らかした服を集めて、ドラゴンと一緒に転送用の魔法陣の中に飛び込む。
 
「有り得ない…こんな結末。」

 ピョコンと魔法陣の中からミクリが顔を出す。
 
「そうそう…ヴァニラちゃんは硬い口調より、エッチしてる時みたいな方が可愛いくて似合ってるわよ?」

「うるさい!二度と戻ってくるんじゃない!」

「はいはい…じゃあね~。」

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