人妻は淫靡に踊る (Page 4)

「夏祭りに行う儀式のための下準備なんです。10年に1度、生贄を捧げる」
「生贄って……」

 怯える絵里子に、町内会長は大げさに手を振った。

「いやいや、生贄といっても殺したりなんかせんよ。正確に言うと、生贄と男たちがまぐわって精と舞いを捧げるんですわ。それを、絵里子さんにやって頂きたい」
「私が?」

「絵里子さんを見た瞬間、この人しかいないと思ったんですわ。祭りの主役にふさわしいと」
「主役……」

 周りの男女も期待に満ちた眼差しで絵里子を見つめている。注目されるのは悪い気分ではなかった。

「どうしても嫌だというなら、仕方ない、あきらめますわ。他の女性にやってもらいます。絵里子さん次第ですわ」

(私が、決める……)

*****

「絵里子?」
「え、あ、うん。何?」

 絵里子はあわてて俊矢に意識を戻した。食後のコーヒーをすする。コーヒーは冷めてぬるくなっていた。

「そんなに疲れた?」
「大丈夫、ちょっとボーッとしただけ」
「そっか。……だいぶ生活も落ち着いてきたし、今夜、いいかな」

 絵里子は少し迷ってから頷いた。

 痕跡が残っていないとは思うが、念のため電気は消してもらった。
 胸を揉まれ、吸われながらも昼間のことを思い出してしまう。町内会長と比べて稚拙な夫の愛撫に、比べては駄目だと思えば思うほど深みにはまっていってしまう。

(違う、もっともっと……)

「もう、入れて……」

 これ以上されても比べてしまうばかりだと挿入をねだる。勘違いした俊矢が笑みを浮かべて挿入してきた。ただ突くだけの動きに思考が冷めていく。

「絵里子……!」

 中に注がれ、絵里子はイッた振りをした。

 全然物足りない。

「良かった?」
「……うん、良かった」

 まだイッてないのに、とは言えなかった。

 

 俊矢が眠った後、絵里子はトイレに向かった。パジャマと下着を下ろして便座に腰かける。

 胸を揉みながら秘部をいじる。思い出すのは今しがたの夫との行為ではなく昼間の出来事だった。

(ああ、駄目、町内会長さん)

 硬くたくましいモノがぎっちり中を埋めて最奥を突く快感。
 無数の男たちに身体中をまさぐられ、高められていく感覚。

「駄目、足りない……!」

 物足りなさに、絵里子は髪を掻きむしった。

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