各駅停車に揺れる少女 (Page 4)
「西向山、西向山に到着です。お出口は左側です。」
彼女は俺の精液をゴクンと飲み込むと、サッと身体を翻して、風のように出口へと向かった。
「あ!」
俺は立ち上がって彼女を追いかけようとしたが、快感で痺れている俺の足腰は言うことを聞かず、砕けそうな妙な体勢で阿呆のように立っている俺を尻目に、彼女の影は駅のホームへと消えていった。
電車の扉が閉まる瞬間、俺は股間からだらしなく露出しているであろう俺の肉棒を思い出し、思わず頬を赤らめ、目を股間にやった。
が、ズボンのチャックはかたく閉まっており、肉棒は若干疼いているものの、パンツがカウパーでうっすら湿っているだけで、射精した形跡は微塵もなく、パンツの中で大人しく収まっていた。
俺は電車の中をキョロキョロと見回したが、相変わらず乗客の少ない車両は、まるで何事も無かったかのように、電車のモーター音とレールの継ぎ目の音だけが響いている。俺のことを気にしている人も、誰一人としていなかった。
俺は少し恥ずかしげにおずおずと座席に座ると、車窓にそっと目をやった。
車窓を流れる桜並木は、薄ピンクに散る花びらの中に、ただひたすらに瑞々しい若葉が眩しく萌えていた。
(了)
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