彼氏ですから (Page 2)

「意地悪してるわけじゃないじゃん。和史のおっきくて、わたしは好きだよ」
 なだめるように優しく囁き、彼女は和史の胸から手を放した。
 恥ずかしさから解放されると彼がほっとしたのも束の間のこと。彼女は椅子に座っている和史の前へちょこんと座り込んでしまう。あっと思う間もなく、美織の手がエプロンの下へ潜り込み、ズボンの上から男根の形を確かるように扱いた。

「ちょっと、マズいですって」
「何が? こんなにちんちんおっきくして店に出るほうがヤバくない?」
「それは、……そう、かもしれないですけど!」
「ちんこだけじゃなくて、声まででかいと店長が来るかもよ?」
 ぐっと言葉に詰まってしまった和史へにんまりと笑いかけ、美織はエプロンの上から彼の性器へ頬擦りをする。

「先払いだかんね。ちゃんと後で手伝ってよ?」
 言うが早いかエプロンの下で彼女の手が蠢き、ズボンの前を開け、下着をずらして和史の勃起した男根を露出させてしまう。悲しいかな、彼のモノは萎えるどころか、美織の手によってますます猛っていた。
「やっぱ、でかいって、これ」

 濡れた瞳で和史を見上げつつ、エプロン越しに美織が肉棒を口に含む。エプロンのざらざらした布地の感触の向こうに体温と口蓋の硬さを感じて、和史は呻いてしまう。痛みではない。快感だ。歯を食いしばって声を出さないように堪え、美織から与えられる性感を享受する。
 理性は今すぐにやめるべきだと主張するが、抗い難い快感はそんな主張を蹴散らしてしまうのだ。

「んぁ、はぁ……、うぅん」
 美織が口を離すと、唾液で汚れたエプロンが男根の形をはっきりと露わにしている。
「んふふっ、和史のってすごいよね」
「普通ですって」
「いーや、でかいね」

 そう言いながら美織は唾液でてらてらと照明を反射している肉棒を扱く。地味ながらネイルがしっかりと塗られている細い指が自らの唾液と、男の先走りで濡れているのはやけに淫靡だ。
 日常の空間でこれほど淫らな行為に及んでいる。その実感がマグマのように腰の奥で熱く滾っていた。滾りは凶暴さを持って睾丸から白濁となって肉槍へと駆け上ろうとしている。

「あの、星野さん、やばっ、もう、あ、出ますから、ほんとにやめてください」
 切羽詰まった声の和史を足の間から見上げ、美織は不満そうに血管を浮き上がらせている肉棒を咥えた。
「んむっ」

 直に咥えられるとエプロン越しとは違う快感が、どっと背筋から脳味噌へと押し寄せてくる。先程までの怯えた理性は意識の端から零れ落ち、雁首を下のざらりとした面で撫でられ、鈴口を舌先で甚振られてあっさりと本能に任せて射精してしまう。びくんと和史の腰が跳ね、骨の奥から力が抜けるような感覚が全身を快感とない交ぜになって満ちていった。
 
 それが去ると強烈な快感と、そこから一気に解放された落差が、射精後の独特の疲労となって和史の両肩に圧し掛かる。

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