もう、大人 (Page 4)
「もう私は大人です…あなたは先生じゃなくて先輩です…確かめてもらえませんか?」
芽依が涙目で訴えたこの言葉が決め手だった。
「先輩が本当に嫌なら諦めます…でももし私のことをあの頃のままの子どもだと思っているなら、それは違うって言いたいです」
とうとう敏明は絆されて、芽依の手を引いてホテルに入った。
「具合が悪いっていうのは、嘘だったのか?」
「…ごめんなさい」
強すぎるくらいにエアコンが効いた部屋で、ソファに並んで座った。
「いや、謝ることはない…具合が悪くないなら良かった」
芽依はたまらず敏明に抱きついた。
「っ…おい」
「そういう…先輩のそういうところが好きなんです」
「…」
芽依の気持ちはもちろん嬉しい。
自分も芽依を女性として意識している。
しかしセックスをすると彼女を傷つけてしまうのではないかという不安は拭えない。
「嬉しいが、この先に進めば、青木はがっかりするかもしれない」
敏明は慎重に言葉を選んだ。
勇敢に立ち向かってくれた芽依に比べて、自分は彼女に嫌われることをこんなにも恐れているということがとても情けなく思える。
「…先輩が何を心配しているのかわかりませんが…大丈夫ですよ、私は」
敏明の大きな身体に抱きつく腕に力を込めて、芽依は言った。
柔らかく、温かい芽依の体温が、敏明の強張った気持ちを溶かしてくれるようだった。
「嫌なことはすぐに言ってくれ」
言って、敏明は芽依の身体を抱き返した。
「っ…はい」
敏明の逞しい腕に抱かれて、喜びに小さく震えながら芽依は答えた。
敏明は身体を離して立ち上がると、芽依の手を引いてベッドに向かった。
ゆっくり押し倒し、見つめ合ったまま敏明は芽依に口付けた。
「んぅ…ふ…っ」
芽依の鼻にかかった甘い声が敏明の脳に響く。
できる限り優しく触れたつもりだが、芽依の唇が柔らかくてどきりとする。
そっと芽依の唇を割って舌を割り入れると、芽依の方も応じるように舌を絡めてきた。
「っ…んん」
敏明が加減して力を入れられないでいることがわかっているのか、芽依はちろちろと舌を動かして敏明の舌を撫でる。
「ぅん…ふぅ…」
甘い吐息を漏らしながら、だんだんとキスが深まる。
小柄だがむっちりした肉付きの芽依の身体をそっとまさぐると、芽依はぴくぴくと反応した。
「んっ…はぁ」
唇を離すと、敏明は芽依のブラウスの裾に手をかけた。
芽依は手を上にあげて、脱がせやすいように身体を少し浮かせる。
するりとブラウスが脱げ、芽依の真っ白な肌が目に飛び込んでくる。
敏明は込み上げる欲望を抑えて、自分の着ているものの方を脱ぎ始めた。
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