生イキ盛り (Page 2)

綾香の部屋の前で声をかけようとすると、扉が少し開いてかすかな音が聞こえた。
何をしているんだ、と開く前にその隙間から見えた光景に鉄生は驚いた。
何故なら、綾香が下着の中に手を入れ、体を揺らしているのが見えたからだ。
明らかな自慰行為。
どう見ても言い逃れが出来ない。
ここで去ってやるのが大人だろうが、なんだかんだ言っても、綾香の態度に鉄生も鬱憤がたまっており、ここで一つ懲らしめてやろうという意識が働いたのだ。
ガタン。
わざと音を立ててドアを開けば、驚愕に目を大きく見開く綾香。

「テ、テツ兄、な、んで」

理解できないといった顔の綾香に、鉄生はにんまりと口元を歪める。

「へー…」

突然のことに綾香は動けずにいた。

「そんな風にオナニーするんだ」

自慰していることをはっきり口にすれば、綾香はガタガタと体を震わせ口を一度開いたが何も言葉は出なかった。
綾香の部屋に入り、扉を締める。
バタン、と響く音が何とも言えない緊張を醸し出す。
一歩ずつ近づけば、綾香はようやく
「来ないで」
と発した。
しかし、鉄生の足は止まることなく進み、綾香の正面に立つ。
見下ろす鉄生の影で、綾香は染まる。

「俺に女がいないことバカにしてたくせに、自分も手で慰めてんの」

鉄生の言い草に、綾香は唇をきゅっと噛みめた。

「手、出して」

鉄生の要求に、綾香は頭を激しく横に振る。

「手、出して」

 言う事を聞かない綾香に鉄生は言い聞かす様に優しい声音で告げるも、結果は同じだった。
わざとらしく、大きなため息を吐きだし鉄生はしゃがむ。

「綾香、手、出しな」

「……や」

拒否の言葉に、鉄生は仕方ないといった様子で頭を数回掻き、そして下着に潜む綾香の手を掴んだ。
ひ、と息を呑み必死に抵抗する綾香だったが、結局はズルリと下着から引き摺り出されそのまま鉄生の顔の近くへと持って行かれる。

「ふぅん、これが綾香の匂い」

くん、とわざとらしく匂いを嗅ぐ鉄生に綾香はやだやだと体を揺らし鉄生から離れようとするも、逃げられなかった。

「やだ、テツ兄、やだ、やだ、ごめんなさい、言わないで、やめて」

 謝り、誰にも言うなと懇願する綾香に鉄生は「言わないよ」と笑う。

「本当?」

 鉄生の言葉に一瞬力が抜けた綾香はほっとした表情を見せた。
その顔を見ながら、鉄生はべろりと綾香の手を舐めた。

「や、やだ!何するの!」

思わぬ鉄生の行動に、綾香が非難を浴びせる。

「へぇ、これが綾香の味か」

荒げる綾香の声など気にせず、鉄生は綾香の手をもう一度舐めた。
今度は、愛撫するように丹念に指の股に舌を這わせチュパ、と水音を鳴らす。

「や、やだぁ、なにするのぉ」

恥ずかしさからか非難する声が弱まる。
だが、そこに混じる感情は拒絶だけではないだろうと鉄生はもう一度指をゆっくりと舐め上げた。
その瞬間、ぞわぞわとするものを背中に感じた綾香は小さく息を吐く。

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