乙女は兄のために処女を捧げる (Page 11)
「申し訳ない、真沙貴。何か取り込み中だったようだが、一言お礼が言いたくてな」
襖越しに志朗の声が暗い部屋に響く。
その声が充姫の耳を打つたびに、真沙貴の肉棒を包んでいる肉壁がキュンキュンと収縮する。
明らかに不貞の快楽を覚えているのは間違いなかった。
愛する兄と襖一つ挟んで別の男に抱かれているという異常な状況に充姫は明らかに興奮していた。
「すまんねえ、獅朗さん。ちょっと忙しくてさあ。まあ、無事に娑婆に出られて良かったよ」
「ははっ、本当にそうだな。まったく九死に一生を得たよ。……ところで、充姫がこっちに来てると聞いたが、まだご迷惑を掛けてるのかい?」
自分の名前を出された瞬間に思わず声を出しそうになり、充姫は真沙貴の唇に吸い付くことで何とか堪える。
「んっ? どうかしたのか、真沙貴」
「いや、ちょうど、猫が仕事の邪魔をしてくれてな、まったく困ったもんだよ」
そう言いながら、真沙貴は抽挿をやめない。
そして、徐々に膣奥で膨らんできているのを充姫は感じていた。
(お兄様の前で中出しされるなんて……。せめて、出て行ってからにして)
喘ぎ声を漏らさぬように充姫は精一杯我慢している。
そんな様子を眺めながら、真沙貴はねっとりとピストン運動を続けていた。
「充姫なら、ちょっと親父の手伝いを頼まれて、議員会館に使いに行ってもらったから、夜遅くには送っていくよ」
「ありがとう。妹が色々と迷惑を掛けたみたいだから、本当にすまんね」
「いや、あんた達の兄妹愛をしっかり見させてもらったよ。いや、本当に凄いな」
「そう言ってもらえると嬉しいよ。じゃあ、私はこれでお暇するよ。忙しいところに悪かったね」
そう言って、獅朗が部屋から出ていく音がした。
足音が遠ざかっていくのに合わせて、真沙貴の抽挿は荒々しく、そして音を立てていった。
もちろん、充姫の声も段々と漏れていく。
先ほどまでと同じ、獣のような喘ぎ声を上げて、そうして糸が切れるように充姫は意識を失った。
翌朝、充姫が目覚めると、そこは見慣れた自室だった。
一瞬、あれは悪い夢だったと思いたくなる。
だが、股からは昨夜出された白濁液が溢れ出るのを感じ、現実だったことを再確認する。
「……どういうことかしら?」
そういう呟きが漏れてしまうほどに、昨夜の自分は馬鹿げていたように思う。
一体どんな顔をして、獅朗の前に立てば良いのだ。
結局、湯浴みをして充姫は食堂へと降りていった。
「やあ、おはよう」
「おはようございます獅朗お兄様。お機嫌はいかがですか?」
「ああ、すこぶる良い。充姫こそ、昨日はご苦労様、おかげで助かったよ」
「お兄様のためでしたら、何だって致しますわ」
「それは頼もしいな。さあ、食事にしようか、座ったらどうだい?」
獅朗に促されるままテーブルに着く。
その瞬間、再び膣から零れた白濁液が彼女の下着を汚すのだった。
(了)
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