乙女は兄のために処女を捧げる (Page 8)

「お前は本当に好きものだったんだな」

 そう言うと真沙貴は、左手と舌で両の乳首を転がしながら、空いた右手ではふさふさとした性毛の群がりをかきあげた。

「ああぅッ、ああぁん! アゥッ!」

 指を奥に進めるのに合わせて、充姫はビクンと腰を浮かせ、敏感な反応の声を弾けさせた。
 充姫の秘奥はドロドロの海になっていた。
 頭の奥がジンとなり、何も考えられなくなる快感の中、充姫の目は一点に向けられていた。
 それは、真沙貴のいきり立った肉の棒である。
 時折太股にすり付けられる度に、どうしても意識してしまう。
 赤くたぎり勃っている巨躯が、この後自分を貫くと考えただけで、彼女は恐ろしくなってしまうのだった。
 別に彼女に経験がないからそう思うのではない。
 自慰行為の中で張り型を使ったこともあるし、そういった映像をそれなりには見てきた。
 ただ、それらと比しても真沙貴のモノは、そこまで大きいわけではない。
 それでも、生きた肉の槍で貫かれたときの自分がどうなってしまうか分からずに、充姫は恐怖と、そして認められない期待とで身を震わせていた。
 それは真沙貴にも伝わっていたらしい。
 太股の間に下半身を置くと、充姫の腰を持ち上げた。
 いよいよなのかという諦めと、これからどうなるのかという不安が、充姫の中に渦巻いていた。
 だが、それ以上に雌の身体は正直なもので、柔らかく花開いた大輪の花は、しとどな蜜に濡れ浸っていた。

「これほど濡れていたら、処女っつっても充分かな?」

 わざわざ分かっていることを口にする真沙貴。
 そのいやらしさを憎く思うも、それ以上に充姫は男の剛直から目を離すことができなかった。

「そんなに見てくれるなよ。あまりデカくねえんだから恥ずかしいぜ」

 大きくエラが張り出した亀頭はまさに凶暴そのものであり、幹胴の表面には極太の血管がうねっている。
 その姿はまるで充姫を狙う大蛇に見えた。

「……くっ!」

 充姫が覚悟を決めて歯を食いしばるが、毒蛇はするすると大洪水の川を滑るばかりで、いっこうに飛び込もうとはしなかった。
 時折、鎌首をもたげると、崖の上に生っている苺の実を食い散らすように擦りつけてくる。

「うぅんッ!」

 そのたびに刺すような快感が頭を貫くのが腹立たしかった。
 童貞の少年でもあるまいし、入るべき道が分からないはずがない。
 真沙貴が焦らしているのは明白である。

「どうしましたか?」

 わかりきったことを聞く真沙貴の下卑た笑みを見て、充姫は気付いた。
 こいつは自分におねだりをさせたいのだなと。
 溜息の代わりに甘い吐息が漏れる。
 このまま延々と愛撫をされ続けていても埒が明かないのは事実だ。
 それだったら、早くこの時間を終わらせた方が良い。
 だから、自分から求めるという形になっても仕方がないのだ。
 彼女はそう結論づけた。
 結局、それは牡を求めている自分から目をそらす自己欺瞞にすぎないのだが、充姫は意図的に無視して、渋々口を開いた。

「……どうか、おねがいします。い…、いれて……ください」

 明らかな棒読みに、真沙貴が少し残念そうな表情を浮かべた。
 それだけが充姫にとっては救いではあるが、はっきり言って屈辱でしかなかった。

「……まあ、今はこれでいっか。んじゃ、入れっぞ」

 真沙貴は赤黒く光る肉の棍棒を、今度こそ正確に濡れそぼる花弁に押し当てると、充姫の呼吸に合わせるようにして一気に突き入れた。

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