乙女は兄のために処女を捧げる (Page 9)

「ハァンッ!」

 思いの外すんなりと肉棒は根本まで充姫の中に収まった。
 膜があるから引っかかるものだと思っていたが、どうやらそんなことはないらしい。

「動きたいなら好きにして良いぞ。俺はこれで十分気持ち良いからな」
「……ゥンッ! ……わかったわ」

 甘い声を押し込みながら、充姫は精一杯強がる。
 張り型とは違う肉の熱さに戸惑いながら、少しでも早くこの時間を終えるために、腰を前後に揺する。
 ただ、いわゆる正常位の形では、単調に動くことぐらいしかできそうになかった。
 男女が交感するヌチュヌチュという粘性の音が暗い部屋に響き渡っている。
 充姫は少しでも声を漏らすまいと、口を真一文字に結んでいるのだが、パンッという肉同士がぶつかる音がするたびに、甘い吐息が溢れ出るのはもはや仕方なかった。
 一度は潮まで噴いて、快楽の虜になったはずの充姫がやせ我慢を続けているのを見て、真沙貴は耳元で囁く。

「せっかくのセックスなんだからさ、お前も楽しんだら? 初めてなんだし、こんな機会そうそうねえよ。自分をさらけ出して乱れるのも楽しいぜ」

 真沙貴の言葉を黙殺したかったが、断続的な灼熱の侵入者による蹂躙は、少しずつ、だが確実に充姫の理性を壊し始めていた。
 裸を晒すどころか、潮を噴かされ、今また自ら腰を振っている。
 そんな中でどうして我慢をする必要がある。
 充姫は甘美な波動に身を任せたくなる衝動を抑えきれなくなっていた。
 それが分かるのだろう、真沙貴の腰の動きが一気に速くなった。

「あっあんっ……あ……っんんっ!」

 強烈な異物感とおぞましさの中で、充姫は確かに快感を覚えていた。
 そして、それは真沙貴の一突きごとに増していくのだった。
 クラクラと脳髄を焼かれるような気持ち良さの中、少しでも冷静になろうと努める。

「ふわっううぅぁあっぁんんっ! ううぅあっぁあっ」

 だが、そんな努力を嘲笑うように真沙貴は勢いよく突き込む。
 そのたびに充姫は大きくわななきの声を上げてしまうのだった。
 初めはぎこちなかった腰の振りも今では随分とリズミカルなものになっていた。
 ちゅぷちゅぷと水音が激しくなるほどに、充姫の身体は真沙貴を受け入れていた。

「んっずっ! んぐっ」

 充姫が顎を突き出したところを、真沙貴は強引に唇を奪う。
 先程までは絶対に許さなかった一線を軽々と破られてしまう。
 舌を差し込まれて、僅かながら抵抗を見せるが、すぐに自分から絡ませていく。
 嫌悪感よりも真沙貴の唇の感触が気持ちよかった。
 そのまま上の口と舌の口を同時に犯されて、充姫はあっさりと絶頂を迎えていた。

「ぁあっううぅんんっ! ふわっううぅぁあっぁあっううぅあっ!」

 ぐったりとする充姫をよそに、真沙貴の剛直はまだ収まってはいなかった。
 それどころかさらに太く、堅くなって充姫の中を蹂躙していた。
 抜かないまま股を大きく広げられ、横から突き込まれる。
 先程まで収まりかけていた甘い痺れが再び充姫を襲っていた。

「ぎゃぅくっあ! はぁっううぅ……ううぅあがっ!」

 これまで感じたことがない部分への快感に、何も考えることができず、獣じみた喘ぎ声を上げることしかできなくなっていた。
 子宮は完全に下りきってしまい、真沙貴の破城槌が門を破ろうとする衝撃を直接受けている。
 始める前の凛々しい顔はどこへ行ってしまったのか、充姫は快楽に緩みきった顔をさらし、口からは涎が零れている。

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