親父のいぬ間に義母と秘め事 (Page 2)

「ゆう君……出汁巻き卵嫌い? あーんされるのやだ?」

 ふと気がつくと、義母は悲しそうな表情で俺を見上げていた。八の字にさがった眉毛、つんと突き出したぷるぷるの唇……今すぐ頭を掴んでイラマチオさせてやりたい。よだれを垂らして、涙とザーメンでぐちゃぐちゃになってる七海さんが見たい……じゃなくて!

「……俺、出汁巻きにはマヨネーズつける派なんで」

「そうなの? 分かった、ちょっと待ってて!」

 俺に嫌がられていないと知り、意気揚々と七海さんは冷蔵庫に向かった。パタパタと駆ける後ろ姿をじっくりと視姦する。足音と同時に跳ねるポニーテール、そしてうなじ。

 ぶかぶかのタンクトップはすぐに右肩からずり落ちるが、ブラ紐らしきものはどこにも見えない……いつもお世話になっているが、彼女は朝はノーブラ派らしい。股下ギリギリの短パン、その隙間から生尻がチラリと見える。あと少し、あと数センチで七海さんのパンティーか、あわよくば中身まで、秘められしゾーンまで見えてしまうんじゃないのか……!

「おい、祐介っ!」

「いっ……! 何だよ親父!」

 幸福な視姦タイムは頭頂部の乾いた痛みによって終了した。親父に頭をはたかれたのだ。

「何だよじゃないよ。七海さんにそっけない態度とりやがって。いい加減にしなさい」

 親父が声を潜めて俺を叱った。義母が我が家に住んで二週間。俺と七海さんは仲が良くなかった。というか、かまってくる七海さんに対していつも冷たい素振りになってしまう。

 親父はそれを「新しい義母を認めたくない反抗期」だと思っているらしく……。

「七海さん、ずっと悩んでるんだぞ? 祐介に嫌われてるって」

「嫌うって……まさか。俺はそんなつもりじゃ」

「もう一か月だぞ? いい加減息子らしい振る舞いをしたらどうだ」

 新しい母親。

 息子らしい振る舞い。

 俺は親父からこの言葉を聞くたびに絶望する。俺がどんなに劣情を抱いても、俺がどんなに頭の中で抱いても、俺がどんなに……七海さんと当たり前の日々を恋人として過ごしたいと願っても、それが叶うことは絶対にない。

 七海さんは母親で、俺は息子だから。

「……。全く」

 黙り込んだ俺に親父はため息をつくと、頭をぽりぽりかきながら気まずそうに言った。

「何とかしろよ。お父さん、明日から出張なんだ。今日の夜には出るからな」

「……は。出張!? おい、聞いてないぞそんな事!」

「言うの忘れてた。すまんな! この機会に仲良くなっとけよ!」

 完全に硬直した俺の背中をバシバシ叩きながら、親父は「留守番よろしくな! お土産は何がいい?」とのたまう。

 あんな無自覚エロエロな義母と思春期真っ盛りの俺、二人っきりの我が家、何も起きないはずがなく……。

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