落花 (Page 6)
「うげっ」
えづいている男の舌を足先で摘まみ、強引に引っ張りだしてやる。
「酷い有り様だ。汚い」
舌を無理やり引き出され、涙を浮かべている男を見下ろして罵倒する。舌先を解放してやり、代わりに胸を蹴飛ばす。
良い場所に蹴りが入ったらしく、男は激しく咳き込んだ。
その顔を無表情に見下ろしていたカヤの視線がつぅっと移動する。
移動した先は男の股間だ。着流しの裾が乱れ、足の付け根まで露出している状態だ。
「なんだ、これは?」
唾液塗れの足でカヤは大きく膨らんだ下帯を踏み付ける。
「金玉を蹴り上げられて、口の中に足を突っ込まれて。お前はマラを大きくするのか」
カヤは男の傍に屈み込む。長い髪が垂れ、男の顔に帳のように落ちた。その暗い中で、カヤは男に囁いた。
「変態が」
唾棄するような口調。
初めてカヤの口調が平坦なものではなくなった。
「うぅ」
男が呻く。
屈辱にうっすらと快感が混ざった声音だった。
カヤがさっと顔を離し、器用に指先で男の下帯の結び目を解いた。真っ赤に腫れている睾丸と、赤黒く充血した陰茎。ぴくぴくと動いているそれの先端は先走りで光っていた。
「お前のような奴は足で十分だ」
足の親指と人差し指の間を男の雁が通り過ぎる。勃起しながらも肉としての柔らかさも保持している陰茎が微かに形を歪ませ、幾度も扱かれた。さらに先走りが流れ出し、カヤの足を汚す。すると彼女は先端を扱くことを止め、裏筋を足裏全体で優しく撫で回した。
強さも種類も異なる性感に堪らず男が射精する。どろどろした濃い精液が迸って、足裏から脛の上まで飛んだ。
「随分と汚したな」
顔を紅潮させ、口の端からは涎を垂らしている男に彼女は平坦な声音で告げる。
「舐めて綺麗にしろ」
カヤは布団の上に腰を下ろし、精液で汚れた長い足を口の前に差し出した。先程のように口の中には突っ込まない。舌を伸ばせば届く距離に伸ばしている。
「どうした。早くしろ。また蹴られたいのか? 踏まれたいのか?」
眼前に足先を突き付け、最後通牒のようにカヤは言う。
男はおずおずと舌を伸ばし、カヤの足に付着した己の精液を舐め取る。だが、その視線は大きく開けたカヤの襦袢の奥へと向けられていた。太腿の際どい辺りまで露出しながら、肝心の部分は隠れていて覗くことができない。
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