落花 (Page 7)
犬のように舌を伸ばして息を荒げ、一心に男はカヤの足を舐め回した。
「まるで駄目だ。それに何を期待している? 野良犬でも、もう少し慎み深いぞ」
まだ汚れていなかった方の足を延ばし、カヤは再び鎌首をもたげようとしている男の陰茎を弾いた。
「ううっ、おおお」
「……お前のような堪え性のない奴には罰が必要だな」
カヤは足を引っ込めると、男の股間へ通った。すると男は一瞬悦びに目を輝かせたが、次の瞬間にはそれが引き攣る。
彼女は男の下帯を使って陰茎の根元をきつく縛り上げたのだ。男性器の先端が充血し、普段の勃起よりも腫れあがる。
「ここを縛ると、楽しいことになる」
再び立ち上がったカヤは男の腹を蹴飛ばす。男は短い悲鳴を上げて仰向けになる。それに馬乗りになってカヤは男の首に両手を伸ばした。
「お前の汚らわしい子種を出したくても出せなくなる。ずっと射精寸前で苦しめる。楽しみだろう?」
カヤは襦袢の前を割った。
朱色の襦袢の下から現れたのは均整の取れた裸体だ。弛んだところなどなく、そのくせ男を狂わすような女特有の柔らかな肉付きをしている。陰茎を緊縛された痛みを一瞬忘れ、男が彼女の体に釘付けになった。
その隙をカヤは見逃さない。
ぬるりと女陰に男の肉塊を呑み込んだのだ。捕食者の如き素早さと貪欲さである。
カヤの膣は呑み込んだ男のものを幾重にも重なった肉の襞で締め付け、扱いた。先端から根元まで微妙に締め付ける強さと蠢動の具合が違う。
「ぐぎぎ」
男は歯を食い縛っていた。
本来であればすぐさま射精してもおかしくない。それだけの快感を一時に与えられたのだ。だが、それを陰茎の緊縛が許さない。射精への欲望と実際的な肉体の活動が、全て阻害され快感が苦痛となって跳ね返っている。
「どうした?」
「……してくれぇ」
掠れた声で男が懇願する。目に涙を浮かべ、口からは涎が零れていた。
「聞こえん」
「ゆるしてくれ」
「何を許す?」
カヤが腰を動かす。前後左右に揺れ動くと、膣肉が蠢いて男を絶頂へと容易く導く。そして、その全てが快楽と混在した苦痛として男を責め立てるのだ。
「だ、ださせてくれ、ほどいてくれ」
「まだ死にはしない。精々楽しめ」
「ああ、おねがいします、ゆるしてください、ださせてください、あああああ」
「駄目だ。お前のような奴は、喉元を過ぎればすぐに忘れる」
「わすれません、なんでもします、だからあぁぁぁぁ」
「その言葉、忘れるな」
カヤは下腹に意識を集める。それだけで膣の収縮の具合が変化する。より男を効率的に射精させるため、より強い快楽を付与するための器官として特化するのだ。
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