離婚の理由は (Page 4)
「…で、離婚の理由聞いてどうしたかったの?」
「えっ…と…」
こんな所まで来て、紗良にそのつもりがないということはないだろうと大志は思った。
しかしそれでも、憧れ続けた女性を前にして誘導する言葉がうまく出せない。
「最後の誘い文句くらいは、男の君に言ってほしいなあ」
半分笑いを含んだような明るい声で、紗良が手を差し伸べてくれた。
それでようやく大志は腹を決めることができた。
ここまでしてもらうのは情けなくも思ったが、欲望には抗えない。
「俺、あの頃先生のことが本当に好きでした。今日、誰のものでもない紗良先生を…抱きたいです」
紗良の手を握って、振り絞るように大志は言った。
「…もう教師と生徒じゃないもんね…中入ったら、先生じゃなくて紗良って呼んでくれる?」
大志の手を柔らかく握り返した紗良が、首を傾げて笑顔を見せた。
「っ…はい」
手を握り合ったまま、2人はラブホテルに入っていった。
薄暗い室内に入ると、大志は抑えていた気持ちを爆発させるように思い切り紗良の身体を抱きしめた。
「んん…っ、ちょっと…」
少し驚いたような声をあげて、紗良は身をよじった。
「お風呂…」
「やです…っ、このままさせてください」
大志は逃げられないように紗良を抱きしめる力を強めると訴えるように懇願した。
「…汗かいてるし、お酒くさいし…きたないよ」
大志の腕に捕らえられたままこもった声で紗良は抵抗したが、抱きしめた身体の柔らかさに大志はすっかり理性を失っていた。
大志はひょい、と紗良を横抱きに抱えてベッドまで連れて行き、
ベッド上に横たわらせると同時に紗良の身体に覆い被さるようにして押し倒した。
「…我慢できない…すぐしたいです」
切羽詰まった顔で紗良を見つめ、大志はそのまま上から押し付けるようにキスをした。
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