聖剣の剣士 (Page 4)

 魔剣である黒衣の男は、獲物を求めて夜の街をさまよっていた。
 早く血を吸いたかった。魔剣にとって人間の血は、極上のご馳走だ。
 それを早く味わいたい。
 繁華街から離れた区画を、1人の女性が歩いている。
 黒衣の男はその女性を獲物に決めた。
 女性の後を追う黒衣の男。
 女性は自分が追われていることに気づかない。自分が獲物に決められたことなど分からない。
 黒衣の男は足音を立てていない。だから女性は気づかない。
 黒衣の男と女性の距離がどんどん縮まっていく。黒衣の男の右手には、いつの間にか魔剣が握られていた。
 魔剣の刀身が、月光を浴びてギラついた光を放つ。
 黒衣の男の前を歩く女性は何かを感じたのか足を止めた。そして後ろを見る。
 視界に入るのは、ギラつく剣を右手に持つ黒衣の男の姿。
 女性は驚きで目を見開く。そして、顔に恐怖の表情を浮かべた。
 黒衣の男は、魔剣を後ろに引いて女性に襲いかかる。
 突き出される魔剣。
 ギラつく刀身が女性を貫こうとしたとき、黒衣の男と女性の間に1つの人影が割って入ってきた。
 学生服姿のユリだ。
 長剣……魔剣と対となる聖剣を手にしている。
 ユリは聖剣を振った。女性を貫こうとした魔剣を弾く。
 刀身と刀身がぶつかり、火花が散る。
 魔剣の軌道は逸れ、女性を貫くことはなかった。

「逃げてっ!」

 黒衣の男と対峙して、ユリは女性に向かって叫ぶ。
 女性はユリの声に押されるようにして、その場から逃げだした。

 獲物を狩るのを邪魔したユリを、黒衣の男は睨む。

「聖剣の剣士か……」

 そして忌々しそうに吐き捨てる。
 ユリは黒衣の男に向かって、

「そうよ」

 と言う。

「あんたたちの敵……聖剣の剣士よ」

「よくも狩りの邪魔をしてくれたな……かわりに貴様を狩ってやる」

 黒衣の男は魔剣を振る。
 高速の一撃。普通の人間だったら、その一撃で体を斬り裂かれたことだろう。
 だがユリは魔剣と戦う聖剣の剣士だ。
 聖剣を振り、魔剣を弾く。
 魔剣がユリの体を傷つけることはなかった。
 普通の人間ではないユリ。魔剣の一撃をさばくことなど、容易なことだ。
 今度はユリが黒衣の男に攻撃を放つ。
 聖剣が斜めに振り下ろされる。
 黒衣の男の体を斬り裂くかと思われた一撃だが、黒衣の男は後ろに跳んでその一撃をかわした。
 攻撃をかわされたユリは小さく舌打ちし、間髪入れず突きを放つ。
 黒衣の男は上半身をひねって突き出された聖剣を避け、避けた姿勢のまま、お返しとばかりに突きを放ってきた。
 ユリも上半身をひねって、魔剣の一撃をかわす。
 黒衣の男は魔剣を縦に横に振り、ときには突きを放つ。
 ユリはある攻撃は上半身をひねって避け、ある攻撃は後ろに跳んで避けた。

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