セックスレス夫と欲求不満兄嫁の逢瀬 (Page 2)
そんなとある週末――
友幸は車で、郊外のショッピングセンターに買い物に来ていた。奈智子は、近所の奥さま方のランチ会に行くとかで、友幸は独り、放っとかれてしまったのだ。ショッピングセンターに来たは良いが、これと言って特にすることは無い。ジューススタンドでミックスジュースを買い、ベンチに座ってキレイな女性をぼんやり眺めていた。
ショッピングセンターには、夫婦連れやカップル、友だち同士で来ている者が多く、友幸のように独りで来ている者は少ない。そして、どの女性も綺麗に着飾って、オシャレしている。
セックスしたいなぁ……
友幸は行き交う女性たちを眺めながら、そんな不埒なことを考えていた。イカン、イカン、いくら溜まっているとは言え、こんなところでこんなスケベなことを考えていては!
と、たくさんの荷物を抱え、大変そうに独りで歩いている女性が目に入った。千渚だ。友幸は千渚のほうに歩み寄っていった。
「あ! お義姉さん、こんにちは」
「友幸さん、こんにちは!」
「今日は一人でお買い物ですか?」
「そうなんですよ。久しぶりのショッピングセンターだから、荷物が増えちゃって」
「僕も一人で来てるので、お手伝いしましょうか?」
「いいんですか?」
「もちろん!」
「ありがとうございます。それではお言葉に甘えて」
友幸は千渚から荷物を受け取ると、それらを軽々と抱え、そして一緒に歩き出した。
「ふふふ。友幸さん、力持ちなんですね?」
「まあ、男ですから」
千渚は一瞬、『男』という言葉にドキリとした。しかし、それは友幸には悟られていないようだった。
男の人が欲しい――
千渚は身体が火照りそうになるのをこらえながら、友幸と歩いた。
「今日はここまで何で来られたんですか?」
友幸が訊いた。
「バスです。でも、こんな荷物になっちゃったから、帰りはタクシーかな?……」
「お義姉さん! それじゃあ、車で送りますよ! ほら? 僕の車、荷物がたくさん載るじゃないですか!」
友幸は、自分でも何故だろうと思うぐらいに嬉々として千渚に提案した。
「……いいんですか? ご迷惑では……」
「迷惑だなんて、そんな! いつも兄貴がお世話になってますし!」
千渚はニコリと微笑みながら、
「それじゃあ、よろしくお願いします」
と答えて、ペコリと頭を下げた。友幸は心の中でガッツポーズをしていた。友幸には下心があったのだ……。一方の千渚も、友幸にお世話になったという口実で身体の関係を迫ろうという魂胆が……。互いの利害が一致していたなど、今の2人は思ってもいなかった。
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