セックスレス夫と欲求不満兄嫁の逢瀬 (Page 3)

 千渚と友幸はショッピングセンターを一頻り周り、友幸は大量の荷物を抱えることとなってしまった。

「千渚さん? 本当に大丈夫ですか?」

 千渚が心配そうに訊いた。

「ははは、何のこれしき! 大丈夫ですよ……ワッ!!」

 友幸は思わずバランスを崩し、盛大に荷物を散らかしてしまった。

「うわっ! ごめんなさい!!」

 友幸と千渚は、慌てて荷物を集め始めた。と、友幸がリンゴを拾おうとして手を伸ばしたところに、千渚の手が重なった。一瞬ときが止まった。お互いに、どちらからともなく瞳を見つめ合う2人。そして、周囲に人気が無いことを確認すると、友幸と千渚は唇を重ね合った――

*****

 帰りの車の中は不自然なほど静かで、カーラジオの音だけが響いていた。友幸も千渚も、2人とも口を開こうとしない。しかし、2人とも考えていることは同じことだった。先ほどのキスの感触……。そしてもう一つ。

 セックスをしたい……

 もしかしたら、さっきのキスのことで気まずくなっているのではないのかもしれない。『セックスをしたい』これこそが無言の原因なのかもしれなかった。千渚は両手をギュッと固く握りしめてうつむき、友幸は口を真一文字にしてハンドルを握った。

 沈黙を破ったのは友幸のほうだった。

「……お義姉さん?……」

「……はい?……」

「この後、時間ありますか?」

「……ええ、少しぐらいなら……」

「……お義姉さん……ちょっとお願いがあるんです……」

「何でしょうか?……」

「ええっと……ちょっと言いにくいんですが……ホテルに行きませんか!!」

 友幸はダメ元で思い切って言ってみた。千渚はギョッとした目で友幸を見つめた。

「ハハ……ハハ……ダメですよね?……ごめんなさい、さっきのお義姉さんとのキスで、頭が変になっちゃって……」

 友幸は変な汗をかきながら謝罪した。しかし、千渚の返事は、友幸からしたら意外なものだった。

「……はい、行きましょう……。あたしもアソコがジュンジュンしてるんです……」

 千渚は頬を赤らめながら答えた。友幸はびっくりして大きく目を見開いた。そして、友幸の肉棒も敏感に反応し、その先端の鈴口からは、早くも我慢汁が滲み出した――

 再び車内には静寂が流れた。しかし、友幸の頭の中は、グァングァンと激しく血管を血が流れる音が響いていた。チラと助手席の千渚を見た。千渚の顔も紅潮している。ギュッと口を真一文字に結んで無言のままだったが、きっと千渚の頭の中も、激しい興奮の音が鳴り渡っているのだろう。

 友幸の車は、暖簾状のカーテンをくぐってモーテルの駐車場に滑り込んだ。友幸と千渚は無言でチェックインした。

 『休憩2時間』

 互いの欲望をぶつけ合うには、それで充分であった――

*****

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