淡白な彼女を開発してみた (Page 2)

「い、いああっ! イって、イってるがらあああっ! い、イイいぐ! いイクイクイクイクうううっ」
 壊れたおもちゃのように叫ぶ桃香の細い手脚があらぬ方向に伸びて突っ張り、痙攣した。
 
 固く勃起した乳首が震え、チリチリと鈴の音が鳴り響いた。
 口端からは涎が溢れ、その目は鏡の向こうから俺を縋るように見つめている。
 
 淫猥な牝の薫りが部屋中に充満し、痛い程固く張り詰めた肉槍が彼女の強張った尻肉にめり込んでいた。

「ん、んん、んふう、ふう、ふう、ふう。……固いの、当たって――いぎぃいいいっ!」
 彼女が後ろ手に手を伸ばそうとした瞬間、俺はシリンダをぐりぐりと引っ張った。
 限界まで膨らんだ肉豆の表面をシリンダが擦り、まるでペニスを扱いているような錯覚に陥る。
 
「いいいっ! イぐううっ! らめらめらめえっ!」
 桃香は甲高い嬌声をあげ、ビクンビクンと身体を痙攣させて透明な汁を噴き出す。
 
「こっちの方が気持ちいいだろ?」
 俺に身体を預けるようにして震える桃香に、俺はそっと囁いた。

「こうちゃん、ちょっと、いい?」
 さっきまで入っていた桃香の中を思い出しながらベッドで息を整えていた俺に、シラけた様子の声が訊いた。
 
 俺がハッとして視線を向けると、そこにはすでに下着を着けて服を着始めている桃香の姿がある。

「どうしたの? 今日はなんか急ぎ?」
「ううん。ちょっと、言い難いんだけど。……しばらくやめない?」

 言い難いと言いつつ、彼女はサラリと言葉を吐き出す。

「え?」
「あ、違う違う。こうちゃんのことは好きだよ。別れたくない。でもほら、あんまり……」
 
 俺の絶望的な表情に気が付いたのか、桃香が必死に言葉を選ぼうとしている。

「ほら。エッチって、2人でするものじゃない。でもなんか、いつも私、ほら……分かるでしょ?」

 桃香が気を遣うのをやめた。
 彼女らしいと言えばらしい潔さだ。
 
 結局のところ、「俺とエッチしても気持ちよくない」ということだろう。
 頭の中で、今までの彼女とのセックスの記憶が駆け巡る。
 
 確かに、大した前戯をすることもなくある程度濡れたら、彼女が「早く終わって」とばかりに俺の上に跨がり、挿入した俺がイって終わり、ばかりだ。
 
 正直、俺主導とは言い難いが、その流れに従って何も言い出せなかった俺も悪い。
 後悔の念が一気に沸き起こり、俺はすぐに立ち上がって彼女を抱き締めた。

「え? こうちゃ――」
「分かった。しばらくしない。……でも、桃香を気持ちよくするのは、いいだろ? 桃香に触れないのは、我慢できない」
「え? えと、まあ、それは、いいけど」

 彼女は「それで満足なら」と口の中でもごもごと呟きながら、困惑したように頷いた。
 俺は彼女を抱き締める腕に力を込めて「ありがとう」と告げる。
 
 では、前からやってみたかった「開発」をしてみよう。
 桃香が自分から求めてくるように。

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