トラックの行く先は (Page 2)
「他、なんかある?」
ある程度飲み物と食べ物をカゴに入れた状態で恵美子が尋ねた。
「いえ、大丈夫です」
「ん、おっけぃ」
レジで会計している恵美子の後ろ姿を見ると、ゆるめのジーンズの上からでもその腰から尻にかけてのラインがセクシーで、尻にもしっかりボリュームがあることがわかった。
若い性欲は、素直に「こういう女とセックスできたら最高だろうな」と大輔に思わせた。
しかしだからといって、車に乗せてもらっている身で彼女に襲いかかったりはしない。
客観的にみれば危害を加えられることを警戒されても仕方がない自分のような若い男を、その点で見ず、つまり信頼して助けるために車に乗せてくれている女性に対して、その信頼を裏切るようなことはできない。
もちろん、怒らせたら彼女にここで車から落とされ、今夜自分はなす術がなくなってしまうというのもある。
何かしようという気はないが、ムラムラと湧き上がってくるものはどうしようもない。
大輔は、この女性と別れた後にきっと彼女を思い出してオナニーしてしまうだろうなと思い、そこまで考えたところで勝手に下半身が熱くなるのを止めることまではできなかった。
「じゃぁ、ちょっと寝床作るから君もゆっくりしてて」
買ってきた食べ物を袋から出して手渡すと、恵美子は運転席の後ろにあるベッドスペースに置いていた分厚くて黒いカーテンを取り出した。
「ありがとうございます」
大型トラックは運転席と助手席が離れているので気づかなかったが、一瞬身体が近づいた恵美子自身からふわっと香るのはシャンプーのような匂いで、車内の芳香剤とは違うその生々しさに大輔はどぎまぎしてしまう。
そうしている間にも恵美子は手際よく、黒いカーテンを車の窓全てにかかるようにセットしていった。
あっという間に車内は外から見えない密室となる。
そして恵美子はベッドスペースに身を乗り出して移動すると、自分が横になるためにそこを整え出した。
片方に寄せていた布団を広げて敷き、それ以外の荷物を運転席に移すと、人が1人横になるには十分な程度のスペースが現れる。
そして小ぶりな枕をぽんぽんと軽く叩いた恵美子は「よし」と呟き、そこに横になった。
「1時間くらい寝るね。君スマホの充電とか大丈夫そ?」
「はい、大丈夫です」
大輔は振り返って返事をし、恵美子の姿に面食らった。
恵美子は着ていたパーカーを脱いで、タンクトップ1枚の姿になっていたのである。
先ほど売店内で意識した大きな乳房が、タンクトップからこぼれんばかりに主張している。
腹部の肉付きも含めて全身が柔らかそうな恵美子の身体には大輔の欲望を限界まで膨らませるだけの刺激があった。
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