TSした生意気ちゃんが悪いおじさんに捕まって大敗北するお話 2 (Page 2)
「……ふう」
覚悟を決めてシャワールームから出る。バスローブを身にまとい、ベッドに座りスマホを弄っているマサの目の前に立った。
「ゆみ子ちゃん……だよね。話は優斗から聞いた。俺は優斗の――君の兄貴の友達だ。俺のことは信頼していい」
「……はい、知ってます。お兄ちゃんの大学のお友達だって……」
それはもうよく知っているとも。合コンで失敗した八つ当たりに俺の家に来たとかな。
「なんていうか、その――君は今すぐ警察に行くべきだ」
「……マサさん」
「もちろん、落ち着いた後でいい。俺も一緒に行くから安心だ、な?」
「マサさん」
マサの肩に触れ、思い切り突き飛ばす。ぼふん、と素直に押し倒されたマサはあっけにとられた顔をしていた。――よしよし、中々良い流れだぞ!このままセックスに持ち込んでゆみ子にメロメロにさせたら――コイツの彼女にハメ撮りを送りつけるッ!
股間の膨らみを撫でながらバスローブをするりと脱いだ――当然、下には何も着ていない。ハリのあるおっぱい、そして産毛の一本も生えていないおまんこが丸見えになる。奴の股間が急激に硬くなったのを感じた。
「これは……感謝の気持ちです。私のこと――抱いてくれませんか」
決まったーーーー!!!切なげな表情でマサを上目遣いに見つめるゆみ子(俺)!見えてないけどめちゃくちゃカワイイっ!期待と興奮で熱い愛液が溢れる。お父さん、お母さん、私はこれから――この男の人生をめちゃくちゃにしまぁす!!!
「――もういいんだ、ゆみ子ちゃん」
「え……?」
「君を脅かす人はもういない。もう、こんな事しなくていいんだ……ッ!」
――予想外の展開だった。マサは股間を膨らませながらも、俺の身体を押しのけて再びバスローブをかけたのだ。そして、俺の肩を抱いて何度も何度も「大丈夫だ」と囁いてくる。
……な、なんて奴だ。なんて気障な男だ。ここは場末のラブホなんだぞ!?満身創痍でほぼ全裸の女を迎える場所なんて、治安が悪い街の治安の悪いラブホしかないのに!こんな条件で女から誘ってるのに手を出さないなんて……。
「ふぇ……っ?あれ、何で、……っ!?」
気が付くと俺は、涙を流していた。理由は――分からない。分かっているけど、理解したくない。まさかそんな、この男に優しさにキュンとしたなんて――。
「……俺は何も見てないから、好きなだけ泣いていいよ」
「っ……!う、わぁ……うわあああああ……!」
股間ではなく、目頭が燃えるように熱くなった。俺はひたすら泣いて、泣いて、泣いた。今思うと、この瞬間が俺の人生の分岐点だったのだと思う――。この時、マサだけを選んでいれば、俺はまともな人間に戻れたのに。
勢いがある
勢いがあってイイ!!
通行人 さん 2021年5月28日