闇の精子取り引きで、兄嫁に種付けプレスした件 (Page 2)
その夜、俺はとある仕事を探していた。それは、SNSを使った闇の精子提供である。
ネットのニュースでそういう仕事があることは知っていたが、具体的にやり方を教えてくれたのは、先日単発のバイトで一緒になった男子学生である。彼は、半分ママ活のノリで精子提供をしていると言っていた。
もちろん俺の精子は一流エリートサラリーマンみたいに高額では売れないだろうが、全く需要がない訳でもないだろう、きっと……いや、あまり自信は無いが……
それから約一週間後、一件の精子提供の依頼が舞い込んできた。相手は30歳のOL、既婚。旦那の精子の運動量が小さいため非常に妊娠しづらいのだが、世帯年収がそれほど多くなく、しかも最近マンションを購入してローンも抱えているため、高額な正規の不妊治療がなかなか受けられず、それで『手頃な価格』の俺に精子を提供して欲しいとのことである。『手頃な価格』というのは一言余計だが、自分の現在のスペックを考えてダンピングしたのは俺のほうだ。否定は出来ない。
早速、俺はクライアントと会うことにした。待ち合わせのカフェには、俺より先にクライアントが着いていると、連絡があった。
「いらっしゃいませ。お好きな席にどうぞ」
俺は店内を見渡した。程よく空いている店内だが、クライアントらしき女性はいない。ゆっくり歩を進め、一人一人客を見て回ったら、見覚えのある女性が、窓際でコーヒーを飲んでいた。
「あれ? お義姉さん?」
玲奈さんは俺を見つけると、びっくりしたような顔をした。
「あら? 和哉さんじゃないの? どうしたの?」
「うん、ちょっとね、人と待ち合わせなんだ。もうこの店に着いてるはずなんだけど……」
「あたしも人と待ち合わせなの。さっき着いた、って連絡があったんだけど……まさか!!」
俺も目をひん剥いた。クライアントは玲奈さん?!そう言えば、玲奈さんは今30歳だし、マンションを購入したばかりで、共働きでもローンの返済が大変って話してたなぁ。
「え? え? え? 依頼者って、お義姉さんだったの???」
「どうやらそうみたいね?」
玲奈さんは、フッと息を吐いた。
「お義姉さん? さすがに今回の取引はナシだよね?……」
玲奈さんは顔を上げて俺を見つめると、
「いいえ。和哉さんだったら、スペックに問題ないわ。それどころか、希望以上よ!」
俺はびっくりした。
「それにね?」
「それに?」
「あたし、一度和哉さんに抱かれてみたかったの……。ねえ、あたしの願いを叶えてくれる?」
俺は息を飲んだ。俺が玲奈さんを抱ける? 兄貴の自慢の美人妻の玲奈さんを?……
「和哉さん、それじゃあ行きましょうか」
俺たちはカフェを出ると、その足でホテルへ向かった……
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