アジアの恵まれない中年男が宗教勧誘の女に奉仕をさせた件 (Page 2)
「?」
若い女の声である。
「こんにちはーーーっ! 奉仕活動で来ましたーっ!」
「チッ! 宗教かよ!」
そうは言うものの若い女が家を訪れたのだ。昌男は助平心を持って玄関のドアを開けた。
「ハイ!」
ガチャッ!
「こんにちはーっ!」
そこには色白でさらさらの黒髪ストレートの、清純そうな女が立っていた。
「はじめまして! 私、清心協会の漆原唯奈(うるしばらゆいな)と申します! 今日は奉仕活動で参りました!」
爽やかにそう言うと、唯奈と名乗る女はペコリと頭を下げた。
「あ、間に合って……」
言いかけて昌男はやめた。
(なかなかいい女じゃねぇかよ……)
「お姉ちゃん、奉仕活動かい? ご苦労さんだね?」
「ありがとうございます!」
唯奈は再びペコリと頭を下げた。
「私たちの神様の素晴らしさをお伝えするためのご奉仕に回っております! どうか私にお祈りをさせてください!」
「お祈り……ねえ?……」
昌男は頬をポリポリとかいた。そして唯奈を頭の先からつま先まで舐めるように見ると、
「そうだな。このところいい事が全然無いし、祈ってもらうかな?」
唯奈の顔がパーッと笑顔になった。
「その代わりと言っちゃ何だがね?」
「はい、何でしょう?」
唯奈は小首を傾げた。
「見ての通り、俺は日本の……いや、アジアの可哀想な恵まれないおじさんだ。仕事も上手くいってない。彼女もいない。金もない。もちろん結婚もしていない」
「はい……?」
「君、神様に仕えてるんだよね?」
「はい、そうです!」
「それなら、この恵まれない俺を救って欲しいんだ。奉仕活動……ってヤツをしてるんだろ? それなら、俺に性のご奉仕ってのをして欲しいんだ!」
唯奈の顔が凍りついた。
「い、いえ……そういう奉仕というのは……」
「……してないと言うのかい?」
「は、はい、申し訳ありません……」
「ケッ! そういうのは風俗に行けとか言うんだろ? 結局どこの神も金持ちしか救わないんだ!」
「け、決してそんなことはありません!!」
「ほぉぅ……君のところの神は違うというのかい?」
「はい! 信じる者は救われるのです!」
「それじゃあ、その神様を信じてやるよ! だから俺に性のご奉仕をしてくれ!」
「で! ですから、そういうのは!!」
昌男は再び唯奈を舐めるように見た。
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