雨上がりの空には (Page 2)

シャワーとパジャマの上を借りて、一緒に夕飯を食べて、同じベッドに横になる。

「狭くない?布団足りてる?もっとこっちにおいで」

「うん。ごめんね、迷惑かけて」

そうそう、シュウちゃんは昔からこんな風に心配性だった。

最後に遊びに来た中2の時から、ちっとも変わらない整った部屋。

大昔誕生日にあげたテディベアのぬいぐるみも、勉強机の上にそのまま飾られている。

…変わってしまったのは私だけだ。

そう思うと何だか急に悲しくなって、目からぼろぼろ涙が零れた。

「…どうしたの?」

「う…ううん、何でも…ごめ…」

「大丈夫?」

シュウちゃんが寝巻の袖で涙を拭く。

抱き締めてくれるのに甘えて、しばらく腕の中で泣いた後、はぁ、と大きな溜め息をついた。

「シュウちゃんは何にも変わらないのに…私だけこんなになっちゃって、悲しかったの…」

「みっちゃんも変わらないよ」

「変わったよ。勉強も全然わかんないし、社会の落ちこぼれだよ」

「それは今からやり直せばいいじゃん。何も変わってない。…今も―――好きだよ」

「…シュウちゃんは優しいから、…」

優しいからそんな風に慰めてくれる、と言いかけた言葉は、柔らかい唇で止められた。

「…ん…っ…、はぁ…」

軽く触れるだけのキスをした後、ゆっくり顔が離れていき、シュウちゃんは少しばつが悪そうに笑った。

「…ごめん」

「何で謝るの?」

「嫌じゃなかった?」

冗談でこんなことをするタイプではないから、好きだと言ってくれたのは本当なのだろう。

私はなんだか不思議な気持ちで、薄くて綺麗なシュウちゃんの唇を撫でた。

「…もう一回、して?」

 

「ん、ぅ…ちゅ…ふっ…」

布団の中で抱き合って、何度も何度もキスをする。

初めてはもっと緊張するのかと思っていたけど、こんなに安心した気持ちになったのは初めてだ。

シュウちゃんが私の下唇を親指で押さえて、軽く口を開かせる。

「…ぁ…、…んんっ…!…ぅ…んむ…」

入ってきた舌が、一つ一つ確かめるようにゆっくり口の中を舐った。

そのうち少し息苦しくなり、呼吸をするついでに舌を伸ばすと、舌先を軽く噛まれてじぃんと甘い痺れが走った。

「らめ…んっ…ちゅぅ…」

くちゅくちゅと唾液が小さく音を立てる。

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