愛液はオシッコにまみれて -Born to be Wild!- (Page 5)
その帰路、中央道の石川PA(八王子市)にトイレと水分補給に寄ると、あのワゴンが…。
目ざとく順平を見つけた主任が、「さっきはありがとサン」と、タメグチだ。ノー天気さが元に戻ったようだ。
そんな馬鹿を構ってもショーガナイので、順平は頼子に内緒で名刺を渡した。それは写真館・動画部の正式な名刺に、素早く手書きで個人用のTel番とメアドとLINE IDを書き足したソロモノだった。
順平よりも上の世代では「名刺ナンパ」はオーソドックスだったらしい。今どきレトロな方法だが、結構利くのである。
どうなるか分からないが、ダメ元でやってみたのだ。で、今度は順平がV6エンジンを全開にして、ヤツらのワゴンから早々に消えて行った。
キャンプにはトイレはない
オンナは見た感じでは分からない-まだ、一人前の遊び人には程遠い齢39のヒヨッコの感想だった。ダメ元で名刺を渡した頼子から、その晩に電話がかかってきたのである。
結構な奥手かと思いきや、意外と積極的だったわけだ。
「覚えてますか。昼間にお世話になった頼子で~す。LINEだと埋もれたまま無視されちゃうと思って電話してみました。あれから、どこかに寄って帰ったんですか?」
順平は明日から素人のカーマニアのYou〇ubeを撮りに、つくば(茨城県)ロケに行く予定だった。そのためにスタミナをつけようと、今日の昼間にキャンプ地近辺の業販用の肉屋で猪肉を買ってきて、行きつけの居酒屋で調理してもらって、たらふく食べてきたのだった。
「最低でも、そういう地元でしか味わえない食材を何か食べたかったんですけどねぇ。主任じゃダメでした」
「オレはサイテーの行動かっ? 別にいいけどさ(笑)」
順平は石川PAで、勢いで名刺を渡したものの、ホントに連絡してくるとは思ってもおらず、少し困惑していたのだ。
そんな事を気にしてか、気にもしないでか、
「上司が頼りないから、逞しいオジサンって好みなんですよ。河原でクルマを引っ張り上げている時は特にカッコ良かったですよ(笑)」。
想えば、この電話から彼女の「野外露出・野外放尿」への道がはじまったのでる。
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