文筆家の戯れ (Page 2)

…時雨先生…?

どくん、どくん、と胸の鼓動が速くなる。

まさかそんなわけ、と震える手でマウスを動かし、開きっぱなしになっていたフォルダを見ると、そこには見覚えのあるタイトルの文書がいくつも並んでいた。

…間違いない。けど、草食系の極みみたいなお兄ちゃんが、あんな小説…

私はそう思いつつ、誘惑に負けて読んでいるうちに変な気分になってきて、下着の上から自分のあそこに指を這わせる。

「…ん…、…」

ぷにぷにした柔らかい股の間は、少しだけ湿っていた。

画面の中の小さな文字を追いかけながら、ゆっくりゆっくり指を動かす。

「はぁ…は、っ…ふ…」

ちょっとだけ膨らんだクリトリスを指先で押さえると、ぴくぴくっ…と足先に力が入って、じんわりと熱いものが溢れてくるのを感じた。

お兄ちゃんの部屋で、いけない事とは分かっているのに、布越しの刺激では物足りない。

もどかしくヒョウ柄の紐パンを脱いで、直接おまんこに指を入れる。

…ぐちゅ…

「んん…!」

そこはもうねっとり濡れていて、右手の中指と薬指は何の抵抗もなく飲み込まれていった。

自分の指ではそんなに奥まで届かないから、物足りなさを誤魔化すように、中に入れた指を浅く速く動かす。

…くち、くちゅっ、くちゅくちゅ…

「…あ、ぁっ…」

あとからあとから溢れてくる蜜で指が滑って、思うように気持ち良くなれない。

「だめ、もっと…んぅ…」

クリトリスまで触りやすいように、両足を椅子の肘掛けに乗せて大きく開く。

「はぁ、はぁ、はぁっ…!」

(…あ、イきそう…もうちょっと…あぁイくっ…)

私は目を閉じて、椅子の背に頭をつけた。

「はっ…イっ…ぁ、あぁ、はぁっ…!」

「…ただいま帰りました」

「!?」

突然後ろからした声に、心臓が止まりそうになった。

いつの間にか真っ暗になっていたパソコンの画面には、いつもと変わらずおっとりしたお兄ちゃんの顔が映っている。

…ヤバい。

どうしようどうしよう、とパニックになっていると、青白いくらいの手が伸びてきて、まだあそこに入ったままの私の右手を撫でた。

「…あ…」

「何をしていたんですか?」

「わ…私…あの…、…ごめんなさぃ…」

「謝らなくていいんですよ。でも、今まで何をしていたのか、教えて?」

「…っ…」

耳元で囁かれて、背中がぞくぞくする。

「…ひとりえっち…」

「そう…」

「や、んっ…!」

お兄ちゃんは私の手を上から握り、さっき自分でしていたのと同じように動かし始めた。

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