ダブル不倫はスポーツの後で (Page 3)
食事と、少しのお酒を共にすればあとはなし崩しだった。包まれるように手を握られても抵抗する気は起きず、大きな手を太ももに置かれた時にはすっかり沙耶香の側も「出来上がって」いた。
そして近くのラブホテルで経験した生まれて初めての不倫セックスは、沙耶香の脳髄を蕩かせる強烈な快楽の記憶として刻み込まれた。
互いに既婚者であることへの罪悪感、最後に沙耶香の中に少し残っていた逡巡を簡単に打ち捨てることができるほど、慎司は上手かったのだ。
その日以降、2人は毎週土曜にジムで落ち合って、互いの身体にたっぷり欲情しながら運動で汗を流した後、その興奮を爆発させるようにセックスする間柄となった。
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慎司は、かなり若い頃から男女問わずよくモテた。
末っ子気質で誰彼構わず甘えるし、それが許される愛嬌があったため、学生時代から女に困ったことはない。
この女癖は直らないからと結婚を強請られてはさり気なく断ってきたが、構わないから妻にしろと強く言ってきたひとりと結局落ち着いたのが3年前だったか。
宣言通りと言えばそうだが、慎司の女遊びは結婚してもますます勢いを増した。
結婚したことで尚更モテるようになり、選り好みしない性質のため自分に好意のある女性は片っ端から喜ばせてきた。
若い頃に年上女性とたくさん寝て仕込まれたからか、ほとんどの女性にとっての「最適解」といえるセックスができる慎司の噂は遊び好きの女性の間で広まり、引きも切らず誘いがある。
そんな訳で普段はそれとなくモーションをかけてきた女に応える形で寝ることが多い慎司だが、久しぶりに自分から誘ったのが沙耶香だった。
取引先の担当者である沙耶香とジムで偶然会う前までは、慎司の方も沙耶香をそういう対象として見ていなかった。
地味だが整った顔立ちだとは思っていたが、着痩せするタイプだとは知らなかったというのがジムで会った瞬間の素直な気持ちで、スポーツウェア姿の沙耶香が思っていたよりずっと肉感的だったので食指が動いた。
顔や体型にかかわらずどんな女も「食える」のが慎司の特性だが、やはり女を主張するような部分が目に入ると仕事相手からあっさり女として見るようになる。
たわわなモノを無頓着に揺らしながら走る姿にムラつきつつ会話を進めると、仕事で会う時には明らかに認められる沙耶香の警戒心が薄くなってプライベートの悩みをあっさり打ち明けてきたので、慎司は更に興味をそそられた。
走ることで何重にも被っていたネコが剥がれていく様子はそれだけで慎司にとって性的で、もう一皮剥いて彼女の本能の部分に触れたくなったのだ。
女から割とあからさまに誘われることの多い慎司だが、そうでない女には一度はっきり性的な視線を送るようにしている。
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