自粛からの“解放セックス”! / 古着屋・久志の「出会い系」冒険③ (Page 3)
自粛中の「出会い系」はというと…
麗子を帰らせたあとも、久志は事務仕事をなんとかこなしていた。
ネット通販なので、接客ナシだから売り上げは3割減で済んだので何とかしのいでいた。
配達が遅れる旨はお客に伝えられるのだが、それよりも仕入れに行けないのが痛かったのだ。通常の流通ルートから外れた品を買い叩いて、なかば現金の力技で叩いてくるのだが、その仕入先が稼働していないのが問題だった。
「夏服のセールまでには、どうにかしたいな」と、クセになった独り言を呟きながら久志はデスクトップPCでいつもの老舗出会い系サイトにログイン。
とりあえず、習慣で女性側メッセージを見て廻ったのである。
当然ながら、「ピュア」と「アダルト」に大別されるカテゴリーは「アダルト」。そのカテゴリーにおいても、メッセージに変化が生じているのは顕著だ。
どう変わったかというと、まず大きな変化は平日の午前中に賑わしていた即アポ狙い(狙われ)の主婦や人妻層からのメッセージが減っていたのである。
あったとしても、
「この事態が終息するまでは会えないので、メールのやり取りしましょう」といった意のメッセージが多かったのだ。
逆に久志は、こんな事態になっても「割り切った~」とか「大人の関係で会いたい」というような、ビジネスメッセージがいつもよりは少なかった(あるにはアリでしたよ)事に安心していたのであった。
ただ、これでは「ピュア」と変わらないのが現実でもある。それでも、「その先には自粛解除後の“性欲噴火”」があると見込んで、「アダルト」で一時のメル友を探す事にしたのだ。
-臨機応変-できる男は、いつもこれである。
明日は麗子女史が母娘で来社するので無理としても、隔日勤務なのでこれまで以上に出会い系に費やせる時間はあるので久志は、いつものように自分の掲示板に、
「自営業のオジサンです。コロナ自粛で開店休業中です。宣言が解除されたら思いっきり遊びましょう!」
という、メッセージを入れておいたのだ。
すると、断続的だった女性ユーザーのレスが、確実にポツポツと届けられて来たから不思議であったのである。麗子女史の推察によれば、「ご主人が家にいると、好きな時間に『出会い系』もできないんじゃないかしら。公園やスーパーの駐車場でスマホを弄っている奥様方は怪しいわよ」との事。
久志も、その説に頷いたのだった。
そうして、いつもの主婦・人妻相手の「即アポ・即マンはあきらめつつも、届いたメールを繋いでいったのである。
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