結婚相談所の罠 (Page 3)

　「西宮さん、本番はまだまだこれからですよ」

　永田の言葉に、西宮の思考は絶望に染まった。
　柔らかな胸への愛撫を終えた永田は、次の獲物を捕らえるために西宮の下半身へと手を伸ばした。短いワンピースの上にゆっくりと指を這わせ、そろそろと撫でるように動かす。たくし上げるようにその裾を持ち上げると、胸の時と同様の可愛らしいショーツが顔を覗かせる。
胸への愛撫に刺激されたのか、ショーツにはいやらしいシミができていた。

「西宮さんこんなに濡らして…もしかして期待しているんですか？」

「そんなこと…ないわ…」

西宮は頬を赤らめたまま、永田から顔をそらす。

「そうですか？なら遠慮なくいかせていただきますね」

「何をする気な…ああっ！！」

西宮の言葉が最後まで終わる前に、永田はショーツのクロッチ部分をずらして長い指を奥まで突き入れた。
濡れていたとはいえ、いきなりの衝撃に西宮は身体をそらしながら逃げようとする。だがそれが叶うことはなく、永田にがっしりと押さえつけられ愛撫を受けるしか選択肢は残されていなかった。

「西宮さん、逃げてはいけませんよ。契約の通り特別プログラムは途中でやめることはできないのですから」

永田はそう言いながら、西宮の膣内に入れる指の数を増やしていった。
ちゅぷちゅぷと西宮の膣内を永田の指が抜き差しされるたびに、愛液の湿った音が部屋の中に響く。
身体はすでに永田から与えられる快楽を受け入れつつあった。永田の指が出入りするたびに膣内が収縮するのを西宮は感じていた。
流されてはいけないはずなのに、西宮はその思考すら快楽の前に差し出そうとしかけていた。

「西宮さん、聞こえていますか？…だいぶ気持ちがほぐれてきたようですね。では、これから本番に入っていきましょうか」

永田の言葉をぼんやりと聞いていた西宮だが、不意に指とは違う感触が入り口に触れるのを感じて意識が正常に戻る。
視線を下腹部の方に向ける。するとそこには赤黒くグロテスクな血管を張り巡らせた陰茎が今にも西宮の入り口に押し入ろうと擦り付けられていた。その先にはもちろん永田の顔がある。
　
　「ひっ…！！」

　西宮は今自分が何をされようとしているのか一瞬で理解した。
　今度こそ逃げなければ大変なことになってしまう。
　逃げようと身体を動かすが、足は永田に押さえつけられ両腕は縛られている。西宮にできる唯一のことは永田に訴えかけることだけだった。

　「お願いもうこれ以上は…わ、私実は…しょ…処女なの！！まだ一度も経験したことないの…だからお願い、それだけは…」

　そう、西宮はこれまでに一度も性体験ということをしてこない人生だった。
　今まで交際にまで至ることはあっても、そのプライドの高さから肉体関係を持つまでに至ることはなかった。
　必要以上に男性をきつい目で見てしまうのも、男性慣れしてなさの表れだったのだ。
　それでもいつか、心から好意を持てる相手ができたら…その時は自分の身体を綺麗なまま明け渡そうと思っていたのだ。
　だが、永田の口からでた言葉は西宮を奈落の底へと突き落とすものでしかなかった。