身も心も1つに (Page 5)
「美久、もしかして今までも――」
彼女の唇が俺の口を塞ぎ、細い指がブラウスをはだけさせる。
真っ白い首筋からデコルテへ汗の珠が転がり、艷やかな谷間へと吸い込まれていった。
美久はおねだりするように上目遣いで見つめながら、固く腫れた俺の股間を擦る。
俺ももう我慢できない。
俺は力いっぱい彼女を抱きしめ、汗ばんだ首筋に舌を這わせた。
「んは!はあ……んん、きもちい」
甘い悦声と甘ったるい匂い、僅かにしょっぱい味、小さく震える熱い肢体、涙と涎を流す蕩けた表情、五感すべてが彼女で溢れた。
胸の奥に溜まっていた何かが、頭に昇ってくる。
俺はこの人が好きだ。
ずっとこうしたかった。
初めて会った時に見せた試すような瞳が、ふと頭をよぎった。
あの瞬間に俺はすべてを見透かされた。
でも俺は、いつものこととしてすべてを受け入れたんだ。
*****
初めて会った人と目を合わせるのは、いつも怖かった。
その瞬間に、その人のことがほとんど分かることが怖いんじゃない。
記憶や心を読まれたことに人が気付く『直感』に、美久は恐怖していた。
美久に心を読まれた人は皆、その後彼女と決して目を合わせることがなくなり、心に分厚い壁を作ってしまう。
それが永遠に繰り返され、ずっとひとりぼっちなことが怖かった。
でもその恐怖が、彼で途切れたんだ。
美久が彼の心に侵入しても。彼は何の抵抗も示さず当たり前のように受け入れてくれた。
だから、住み着いてしまった。
何の躊躇もなく、彼の望む通りに逢瀬を重ねた
『俺はこの人が好きだ。ずっとこうしたかった』
「私もお……」
彼の心の呟きに、驚くほど甘えた声が答える。
その瞬間、彼の目の色が変わった。
慌ただしくベルトを外し、ズボンと下着を下ろす。
大きくそそり立つ屹立の登頂部が美久のお腹に当たり、ねっとりとした汁が擦り付けられる。
彼の頭の中にいる美久の痴態が、自分に重なった。
彼の望みが手に取るように分かるこの力に、美久は初めて感謝した。
彼の望むままにそばの棚に手をかけ、お尻を突き上げる。
タイトスカートは腰まで捲り上がり、開いたブラウスの前から欲の塊である二つの乳肉がぶら下がった。
ちゅくん
「あ!んん!」
彼の肉槍の矢尻がヌルリとめり込むと同時に、ゾクゾクとした痺れがアソコから腰、背中、頭の芯まで駆け抜けた。
不意に腰がガタガタと震え、目の前でチカチカと火花が散る。
「ん、んんあ!うそ!ダメ、い、いい!」
美久は叫び、歯を食いしばって波を堪えた。
しかし、一度起こった淫欲の波を止めることはできない。
「い、イク!イクイクイク!!」
体中が歓喜の声をあげ、小刻みに痙攣して膝から力が抜ける。
美久はお腹がキュンキュンと煽動して彼のカリ首に吸い付くのを感じながら、約束通り声をあげて報告した。
腕に力が入らずにズルズルと滑り落ちたところを彼の腕が抱き抱えてくれる。
背中に密着した彼の胸から、激しい鼓動が伝わってきた。
「美久、まだ先っぽしか入れてないのに」
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「怒ってないよ。約束通り報告してくれたからね。だから、もっともっと気持ちよくしてあげる。でも、イッたらダメだよ」
ずっと彼女の頭の中で響いていた声が、耳から入ってきた。
彼が分かってくれた。
今まで彼が妄想だと思ってたのは、私の本当の心だって。
あなたは毎日、私のことを愛してくれてたんだよ。
そして、やっと身体もつながったんだよ。
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