泣き虫な幼馴染みは処女なのにとっても積極的だった件 (Page 3)
「ふむ……、仕方ないか。では信子、途中まで一緒に行こう」
「いや、いらないし」
「まったく、素直ではないな……」
「二人とも、ばいばーい」
オレの代わりというわけではないだろうが、秀子が信子の後を追った。
そんな二人の後ろ姿を見送ってからオレは勝子と家路についた。
しばらく無言で歩く。
いつもだったら勝子が元気よく話題を振ってくるのだが、何故か今日はやけに静だった。
あと少しで勝子の家、というところでぼそりと勝子が口を開く。
「ねえ、光正ー。信子と何かあったー?」
「――んんっ?」
いつもと違う勝子の声色に、思わず戸惑いの声が漏らしてしまう。
オレは恐る恐る勝子の表情を窺おうとするが、下を向いており、何を考えているのか読み取れなかった。
「な、何もなかったよ……」
「ふぅん、そーなんだー」
まったく信じていない声色だった。
だけど、オレはすっとぼけて押し切ることにした。
「大体、オレと信子に何があるって言うんだよ。あいつオレにきっついことばっか言うんだぜ」
「それは、光正が鈍いせいなんだけどなー。まあ、いっか、とりあえずそういうことにしておくねー」
「何か納得してねえなあ……」
このままバレてしまうのではないか、そんな不安がオレを襲う。
しかし、それ以上追求される前に、勝子の家の前に辿り着くのだった。
「そうだねー。……あっ、もう着いちゃったかー。うん、じゃあ、光正、また明日ね~」
玄関に入るときには、いつもの勝子に戻っていた。
だけど、これからどうしたものか、そう思わざるを得なかった。
そんな時だった。
信子から携帯にメッセが届く。
『とりあえず、秀子から色々聞かれたけど言ってない。あんたは?』
相変わらすぶっきらぼうなメッセだった。
オレもすぐに返信をする。
『オレも信子から聞かれたけど答えてない。これからどうする?』
正直、告白してちゃんと付き合いたいと思っていた。
そして二人に話した方が良い。
そう思っていたら、予想外のメッセが届いた。
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