泣き虫な幼馴染みは処女なのにとっても積極的だった件 (Page 4)
『ん、黙っといて。というか、今日のことはなかったことにして』
思わず「はっ?」と声を出してしまった。
いや意味が分からない。
オレはすぐに疑問をそのままメッセにする。
『いや、意味分かんねーよ。やっちまったよな、オレら。だったら、ちゃんと付き合って、二人に報告した方がよくね?』
俺は至極まっとうな返信をしたつもりだったが、信子の返事はつれなかった。
『それはダメ。言ったら許さない』
『何でだよ。お前、オレのことが好きって言ったじゃねえか』
『それは気の迷い。勢いみたいなもの』
『何だよ、それ? ふざけんなよ。勢いだったら何でもするのかよ?』
『そんなことはない。とにかく、好きって言葉は忘れて』
間断なく続くメッセに、オレはそろそろ堪忍袋の緒が切れそうだった。
メッセでは埒があきそうにない。
電話で、いや、直接話すしかないと思っていた。
『こうやってメッセでやり取りしてても不毛じゃねえ? 明日俺んちで話さないか?』
『いや』
もの凄く簡潔な返答だった。
ただその答えは分かっていたので、オレは切り札を切る。
『来ないんだったら、全部あいつらに話すけど、いいか?』
『最低。そんなことしたら絶対に殺す』
『じゃあ、明日朝一で話すことにするわ、じゃあな』
オレの最後通告のメッセを送った瞬間。信子から電話が来た。
「やめて。わかった。あんたんちに行くからやめて」
「おう、わかった。待ってるぜ」
「あんたがこんなずるい手を使うとは思わなかったわ」
「お前が分からず屋だからだろう……、って、まあ電話で話してもしょうがないから、明日待ってるからな」
「はいはい。……光正、ゴメン」
「何を急にしおらしくなってんだよ。らしくねーぞ」
「うっさいよ」
妙に不安定な信子との電話は終わった。
とりあえず、顔を合わせないと意味がない。
きっとそうすれば信子も分かってくれるはず。
オレはこの時はそう思っていた。
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