ネットアイドル処女喪失生配信
宅浪とは名ばかりのパラヒキニートの兄は、キラキラした世界で生きる妹に鬱屈した感情を抱いていた。そしてそれは「何のために生きてるの?」という一言で爆発する…。乱暴されても上から目線でなじってくる妹に、兄の行動はエスカレート。人気配信者屈辱の処女喪失レイプを、キモブタお兄ちゃんが汚部屋から生中継!
「はぁいみんなお待たせ〜!なるみんです!いつも沢山プレゼント贈ってくれてありがとう!今日はねぇ、リスナーさんからのリクエストで〜…」
妹の部屋からは楽しげなライブ配信の声が聞こえていた。
顔もスタイルも良い陽キャの妹は、スクールカースト最上位に君臨し、ネットアイドルとしてもそこそこ人気。
それに対して俺は、人よりちょっと勉強が出来るくらいしか取り柄のない、絵に描いたような根暗オタク。
その勉強が出来るというのも、三十過ぎまで司法試験に落ち続けている今となっては過去の栄光だ。
当然妹からは毛嫌いされているし、現状親の脛を齧っているわけだから、家の中での肩身は狭かった。
いつか大物になって見返してやると思っていた気持ちも、不合格になる度に萎んでいき、最近は毎日だらだらとネットサーフィンばかりして過ごしている。
翌日。
昼過ぎに目覚めて顔を洗っていると、普段よりだいぶ早く学校から帰ってきた妹が洗面所に入ってきて、大きく舌打ちした。
「…キモ…」
配信の時の猫撫で声はどこへやら、妹は低い声で言い、洗濯機を覗いてまた舌打ちする。
「一緒に洗わないでって言ったでしょ。何回目?」
「ゴ、ゴメン…」
「出して。今すぐ。早く!」
大声で怒鳴られ、俺は洗濯機の中から脱いだばかりの寝巻を引きずり出した。
「あんたさぁ、いつになったら自活すんの?その歳で無職とかマジ無理、友達のお兄ちゃんはもっと若くて結婚してて、超カワイイ子供もいるんだけど。ほんとありえない」
自分の妹ながら、こういうタイプは苦手だ。
学生の頃もイケてるグループからは虐げられてきたから、それを思い出してひどく嫌な気持ちになる。
「試験だって今年落ちたら終わりなんでしょ?一回二回で合格する優秀な人だっていっぱいいるのに、五回目で運よく通ったところでそんな人たちとやっていけるわけ?ていうか、自分の面倒も見れてないキモブタに弁護されたい人なんていると思う?」
そんな事は自分が一番分かっている。分かっているのだ。
「ほんと、あんたの存在だけが人生の汚点。パパもママも、あんたなんかいない方が良かったって言ってるの、知ってる?ああもう、汚い手であたしの服に触んないで!!」
ヒステリックな声に、キーン…と耳が痛くなった。
「はぁ…都合が悪いとだんまり?悔しかったらもっともらしく自己弁護してみせなさいよ。ねえ、センセーイ?聞こえてますかぁ?」
馬鹿にした口調。
湿った洗濯物を握った手がぶるぶる震える。
「夢もない、希望もない、友達だって一人もいない。あんた、何のために生きてるの?」
誰からも必要とされず、ただ資源を消費して老廃物を生産するだけの毎日。
何のために生きているのか、そんなのこっちが聞きたいくらいだ。
「…そんな事俺だって…くそ、うるさいうるさいうるさい!」
「え?なに、あ…、っ?!」
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